第17話 疑問点

 僕はさっきメモした紙をポケットから取り出して、続きを考える。


(執事は本物か?)


 事件は執事の話によって成り立っている。警察が裏を取るのは当たり前で、何か不審な点があれば、今頃は警察に重要参考人として連行されているはずである。


(他に容疑者は?)


 別荘の周りは私有地なので、関係者以外は立ち入り禁止。不審者が入ってくればすぐにわかる。今のところは該当者なし。


(動機は? 遺産がらみか?)


 三つ子が何か関わっているかもしれないが、その可能性は薄い。


(毒物は何か?)


 紅茶のハーブらしいが、さっきのハーブかどうかは保留。


 三つ子は、何故、今この時に記憶喪失になったのか?


(こんなところか…)


 腕時計を見ると、もうすぐ、お茶の時間だった。その時に、調査の経過報告をすることになっている。


「見つかったわよ」


 ミルフィーユが僕に図鑑を渡して、写真を指さした。

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