一人しか逃げられないゲーム

minonライル

0話

 ある日のお出かけ。

 今日は、お父さんと一緒に買い物をする予定。


 都内の大きなショッピングモールに着いたのは、10時30分ごろだった。

「それじゃあ、最初どこ行く?」

「服屋」

 お父さんにそう言われると、私はすぐにそう返した。

 お父さんは軽く頷くと歩き出す。私はそれに付いて行った。


「ここ入るか」

「うん」

 少し歩くと、色々な服屋さんが目に入る。そのうちの一つに私たちは入る。

 服屋と言っても、ただ服を売っているわけではなかった。他にもサングラスやネックレスなどが目に入る。

 だけど、私にはあんまり必要ないものだ。とりあえず、レディースの服が売っている場所へと移動する。それと同時に、お父さんはメンズ系の場所へと移動した。

「どれがいいかな……」

 現在、私は中学1年生。中学に入って二か月くらいが過ぎ、少しずつクラスにも慣れ友達も増えた気がする。そうなってくると友達とどこかに遊びに行く事も増えるだろう。

 そうなってくると、少しは服装にも気を使った方がいいのだろう。

「……うーん」

 色々ありすぎて悩む。可愛いものがいいけど、果たして私に似合うかな?

 服を手に取り、鏡の前で合わせてみる。

「…………」

 しっくりこない。多分、色が合わないんだ。

 じゃあ、これは?

「……まぁまぁかな」

 自分に合う色は、恐らく派手な色というよりも淡い感じの色が似合うのだろう。

「あ、これ可愛いな」

 すると、フリフリがたくさんついた服を見つける。

「……うえっ」

 一瞬可愛いフリフリの服だと思っい手に取ってみると……とんだゴスロリみたいな服だった。これを着たら、私がおかしい子みたいに思われちゃう。

「こんなの売ってるんだ……」

 まさかこんな服がお店にあるとは思わなかった。

 こういうのってネットショッピングにしかないと思ってたけど……。

「……」

 無言で元の場所に戻す。

「服はいいや……次はズボン」

 ズボンは半対側のコーナーだった。

 ショートパンツ、ハーフパンツ、スカート……今の自分の服装を見る。

 ラフなやや大きめな服に、白黒のスカート、黒くて長い靴下だった。

 とりあえず目に留まったものを取っては鏡の前で合わせてみる。

 それを数分やった後、服が3点とズボン系が4点の計7点がかごの中に入っていた。

「……これでいいか」

 他にも靴下とか見たけれど、家にあるやつでいいかな。

「あ、いた」

 と、少し先にお父さんの姿が見えた。

「はい、これ」

 お父さんにかごを預ける。

「じゃあ会計してくるから」

 レジにて会計をした後、

「ちょっと早いけど、お昼食べようか」

「うん」

「何がいい?」

「パスタ」

「分かった」

 あとはお父さんについていき、お昼を食べることにした。


 

 

 

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