私たちはかつて天にいた

からだはなく

なににも囚われず

そしておそらく心もなく

無邪気に星とたわむれ

太陽に挑み

月に癒された

やがて天は私たちを地に降らし

使命を与えた


「私は土を黒く染めた」

「私は木々の葉をたたいた」

「私は子らの髪を濡らした」

「私は地下深く沈んだ」


地下深く

そして私たちはひとつになった

幸う山の中腹から

私たちは流れる

地を削り石を磨き

生を宿し田を潤し

人知れず藻を育み

平らかに市街に寄り添い……


きらめく水面はただの薄衣

私たちはいずれ天に帰る

きれいな青を知ったあと

すべてを置き去りにして

私はふたたび旅に出る

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