彼女が寝取られた。すると前から知り合っている女の子が俺に接近して来たのだが性格がヤンデレであった。...助けて神様。

アキノリ@pokkey11.1

第一章 「逃がしません」

しねしねしね

第1話 ヤンデレ後輩

「...お前の事、信じていたんだ」

「...才知...ごめんなさい...」

「もう別れるぞ。話にならない」

「才知...お願い!待って!!!!!」


俺、鹿野才知(かのさいち)は駅前でそう告げる。

相手の浮気した女に。

セックスもしたであろう野郎に。

汚らわしい。クソッタレだわ、とそう思いながら俺は血が滲む程に拳を握り締める。

それから目の前のクソ女、青ざめている藪三友香(やぶみゆか)を見る。


「...私は...こ、これでもまだ...才知が好き。お願い待って...お願い!」

「...お前の事はもう何も信頼できない。...すまないが」

「才知...!」


そして俺は歩き出す。

それから俺は吐き捨てる様にしながら掴んできた手を振り払った。

そうしてからゆっくり歩いて帰宅する。

そして一人暮らしのマンションに帰って来た。

全てを脱ぎ捨てて倒れ込む。

ベッドを殴った。


「ああクソ。忌々しい。忌々しい。忌々しい!!!!!」


俺は苛つきながらベッドを何度も叩いた。

それから拳が擦れて出血する。

忌々しい。

何でこんな目に遭わないといけないんだ俺が。


「...何でアイツは...アイツは!!!!!」


俺は激高しながら「クソッ」と吐き捨てて冷蔵庫から荷物を...ってあれ?

何だか見た事ない食材が並んでいる。

俺は「?」を浮かべながらその食材をまじまじと見る。

何でこんなもんが入っている?

料理をしないのに豚肉とか。


「...言うて...まあ忌々しいから買ったんだろうな。俺が」


腹が立ちすぎてもう何を買ったかも覚えて無い。

考えながら俺は冷蔵庫のドアを閉める。

それから俺は水を一気に飲み干した。

そして趣味の筋トレを始める。


「もう忘れよう。マジに」


そう思いつつ俺は運動を始めた。

有酸素運動を、だ。

そして俺はそのままたんぱく質などを摂取して運動を始めた。



そして悔しい中で翌日になる。

俺はゆっくりと良い香りで起き上がる。

うん?ちょっと待って。

何だこの香りは?


「あ。おはようございます」

「...牧田!?お前何をしている!!!!?」

「はい。私です。牧田三毛(まきたみけ)です」

「いや...お前本当に何をしている?外のロックはどう解除した」

「あれ?知りませんか。先輩」


猫の様な愛らしさの究極の美少女。

髪の毛を一か所で結んでいる前髪と。

小顔で有る顔。

猫の様な目をしている目。


俺の後輩だ。

誇れる後輩だが...今はちょっと疑問しか湧かない。

何をしているんだコイツは。


「隣に引っ越して来たんです」

「...ha!!!!?」

「私、先輩に愛されたくて...親に土下座してここに来ました♡」

「...嘘だろ?」

「嘘じゃないです。私、先輩大好きなので」


馬鹿なのかこのアホは!?

俺に愛されたい為にこの場所に越して来たのか!?

しかも実家を捨ててか!?

馬鹿なんじゃないか!?

そう思っていると牧田がいきなり服を脱ぎ...はぁ!!!!?


「何をしているんだ!!!!?」

「こういう朝飯の時は裸エプロンかなって」

「お前馬鹿か!服を着ろ!」

「あ、因みに先輩」

「な、何だよ!」

「私のおっぱいはGカップです」

「はぁ!?聞いてねぇよ!」


「まあまあ。大好きな先輩ですから。私、脱ぎます」と本当に下着姿になろうとする牧田さん。

この野郎!!!!!

そう思って俺は全力で彼女を制止する。

それから「何をしているんだこの馬鹿!アホ!」と服を被せる。


「先輩。私は先輩が好きです」

「...あ、ああ。それで」

「精子が欲しいです」

「ふぁ!?お前そういうキャラじゃ無いだろ!!!!!」

「私は先輩にあの時、駅から飛び降りた時。救ってくれた時を忘れないから」


俺に必死にそう言う牧田。

その言葉に俺は「...確かにそういう事もあったが」と言う。

だがあの時は。

そう思ったのだがそれより前に牧田が俺を押し倒した。


「私、先輩が好きなんですよ」

「...それは分かる。ダケドなこういうのは本当に好きな人だけにしろ」

「えー?私、先輩となら幾らでもセックス出来ます。...あのクソアマと違いますよ。私は」

「...待て。何でその情報を知っているんだ」

「昨日、振ったんですよね?そのバイタの事。...私は絶対に許しませんよ。その人の事。死に追いやりたいぐらいです」

「な、何かおかしいぞお前」


「私は至って平然です。ね?せーんぱい」と笑顔になる牧田。

それから粘着質な笑顔を浮かべる。

悪魔の様な笑みだった。


俺はこの時点でまだ気が付かなかった。

コイツが...ヤンデレであり。

無茶苦茶怖いという事を、だ。

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