タイパ魔導士、「クレしん」や「さいこうのバター」と戦う。新魔法「ばすがすはつ」

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 タイパ魔導士見習いよ、「となりのおねえちゃん、おとりたいぷ」の意味を知れ!本物のタイパ魔導士になれるのか?

 だって、異世界。

 タイパ魔導士が、タイパ的に悩まされ。

「となりのおねえちゃん、おとりたいぷ」

 何じゃ、それ。

 おいっ子の言葉は、異世界言語魔法だな。

「俺が、その魔法の謎を解いてレベルアップしてやる!」

 見習い学者の友人に、相談してみた。

「…あ。小さい「つ」の、抜け魔法だな」

 はあ?

「わからないか?となりのおねえちゃんはおっとりタイプです…って、書きたかったんだろうよ」

 むむっ!

 子どもの書きまちがい、 SNSでも萌え~。

 いくつか、楽しい例がある。

「ガスばくはつ」を、「ばすがすはつ」と書いてしまう子。

「バスケットシューズ」を、「バスケトシュズ」と書いてしまう子。

 大人には、笑いの壺。

 ただね?

 こういう子どもの書き方も、「まちがい」とは言い切れず。

 大人にとっては疑問の書き方でも、子どもにとっては正解な書き方になっていることって良くあることなんだとか。

 日記帳にこう書いた、野球好きな子がいるという。

「さいこうのばたーになる」

 バターになってパンにぬられたいわけでもジャムに勝ちたいわけでも、ないだろう。

「最高のバッターになりたい。そう思っていた子にとっては、正確な気持ちだ。まちがえたとは、言い切れないんだよ。…そうだ。反転文字を、知っているか?」

 見習い学者は、物知り。

 反転文字は、「おもちゃ」を「おもさゃ」みたいに、一部ひっくり返してしまったりする書き方。

 反転した書き方、「クレ○ンしんちゃん」でも描かれています。

(「おもちゃばこ」を、「おもさゃばこ」のように書いているんだよな~)

 異世界言語魔法は、多様。

「真実は、いつも 1つ!」

 そう言う子どもは、何もわかっていない。

「ぎゅうにゅうぱっく」を、「ぎゅうにゅうぱく」と書く子がいる。

「ぱっくとぱくは、発音がちがう」

 そうわかっていても、文字で書くときは、子どもは「っ」と「つ」を区別しないことがあるんだとか。

 と、いうことで…!

「となりのおねえちゃん、おとりたいぷ」

 この字の、大人的な 1つの真実はこれだ!

「となりのおねえちゃんは、おっとりたいぷ(な女性)です」

 この事件が解決するまで、72時間。

「タイムア~ップ!」

 結局彼は、タイパ魔導士見習いのまま。

「タイパ悪っ(涙)♪」

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