猛暑に感じたあたかみた

筆ペン

改札の階段を降りて

 4才位だろうか。黄色いテーシャツ、青いリュック、ベージュのパンツ、黒い靴。

彼は怒っていた。両手でリュックのベルトを握り悔しさで涙を流していた。何か叫び終わった後なのだろう、静寂が3人を包んでいた。

お母さんには赤ちゃんが前抱っこでくっついている。3人だ。

改札階段の通路を挟んでそんなドラマが始まっていた。

そこを汗臭い私たちがうねりを上げて間を通る。

このままおかあさんとはぐれてしまう。相手が見えなくなるほどの臭いおじさんたちの群れ。間を通りながら、邪魔してごめん。て思った。わがままなのか、口論なのかわからないが、あかちゃんのめはつぶらだった。おかあさんもこんな暑い夕方に根気比べの揉め事はやめたほうがいい。大切な2人と自分が熱中症になってしまう。

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猛暑に感じたあたかみた 筆ペン @satoshi5476

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