探索者

第一目標の1万PVを達成できました。

いつも見てくれている方々、ありがとうございます。

そして新しく発見してくれた方々もありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。


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次の日、学園に登校し教室に入ると、既にほとんどの生徒が席に着いていてサユリ先生が前に立って授業の準備をしていた。俺も自分の席に座り、授業が始まるのを待っていた。

やがてサユリ先生が教壇に立ち、今日の授業のテーマを発表した。


「今日は、探索者についての説明をしますね」


探索者、ダンジョンに潜り、そこで得た資源やアイテムで収入を得る人達のことだ。てか俺もそうだな。

サユリ先生は、まず探索者の基本的なことについて説明を始めた。


「まず探索者とは、ダンジョンに潜り、そこで収入を得ている人達の総称です。15歳以上で、なおかつ前科がなく、反社会勢力でなければ誰でも探索者として登録することができます」


探索者という職業の入り口は意外と広い。特に特別な資格が必要なわけでもなく、ダンジョンに潜り、何らかのアイテムを獲得して売れば誰でもその収入で生計を立てられる。

しかしサユリ先生が言うように、あくまで前科がないことや反社会勢力でないことが前提条件だ。


「次に一般的な探索者の収入源について説明しますね。まず一番多いのが、ダンジョン内で得た物を買取所で売ることです。当たり前ですが、これがほとんどの探索者の主な収入源となっています」


俺も昨日、鉱石や魔石を集めて買取所でポイントに変えてきたばかりだ。やっぱりダンジョンで得たアイテムを売るのが一番手軽で確実な収入源だろうな。


「そして次はダンジョンライブや動画投稿サイトでの広告収入ですね」


ダンジョンLiveか、ミラとメリスがやってたやつだな。


「これらはある程度の強さや魅力がなければ、知名度が上がりづらいという欠点もあります。

知名度が低いうちは広告収入も少ないですが、逆に知名度が上がれば、一気に収入が跳ね上がり、そして商品紹介などの案件が入ることもあります。

ですので、とりあえず配信を始めてみるという人も多いですね」


ふむ、そう考えたらミラとメリスは成功している方なのか?結構コメント流れていたような気がするな。

俺もそのうちやってみても良いかもしれない。


「次は企業に所属して収入を得るという選択肢があります。企業と契約を結び、安定した収入を得ることができるのですが、その分自由が減るのも事実です」


企業との契約、これは安定性を求める探索者がすることが多いって聞くな。


「多くの場合、契約先の企業から月に指定された量の資源やアイテムを納品するという形式が取られます。

たとえば、鉱石や木材、魔物のドロップ品などを一定量納める契約ですね。

買取所を通さない分、得られる収入も多くなる一方、月のノルマがあるので少し自由度が下がります」


俺もどちらかと言えば自由に動き回れる方が好きだな、てかだいたいの人はそうだろ、たぶん。

ここまでの話は探索者としての収入に関するものだったが、サユリ先生は少し厳しい表情になり、さらに重要な話を始めた。


「次は、もし探索者の犯罪を目撃した場合の対処についてです」


ほほう、犯罪か。まだ見たことない…あぁいやケイルに絡んで俺を殴ったやつがいたか、あいつそういえばどうなったんだろうか。


「探索者の犯罪を目撃した場合、取り押さえるか通報してください。そして取り押さえる際や通報した際に探索者が暴れて人や物に危害を及ぼした場合、その探索者を殺害することが許可されています」


殺害が許可される、というのはかなり重い言葉だな。


「理由は簡単です。そのまま放置すれば、被害が拡大するかもしれないからですね。

探索者は多様なスキルを持っていますし、その危険性を考慮した上で最悪の場合にはそうした処置が取られることになります。

ですので、皆さんはくれぐれも悪いことはしないようにしてくださいね」


そりゃそうか、てか相手がスキルを使うって考えると取り押さえるってかなり難易度高い気がする。


「次にダンジョン内での探索者同士のトラブルについても説明しておきます」


サユリ先生は生徒たちを見回しながら、慎重に言葉を選んでいた。


「もしダンジョン内で探索者や未登録の人間に襲われ、それを殺害した場合は、必ず探索者組合に報告してください。

もし報告せずに後からその事実が判明した場合は、法的な処罰を受けることになります。そうなれば探索者としての活動はできなくなるので注意してください」


ダンジョン内に入ってまで探索者の警戒しなくちゃいけないとか面倒くさすぎるな。


「以上が探索者のルールについての説明です。何か質問はありますか?

…無ければ解散」


サユリ先生がそう締めくくり、授業は終わった。

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