ジョブとスキル
次の日、俺は教室でサユリ先生の授業を受けていた。
今日はジョブとスキルについての話だという。サユリ先生は、教室の前で腕を組み、俺たちを見渡してから口を開いた。
「今日はジョブとスキルについての説明をします。まずジョブはレベル50になると上位職に進化します。進化する職業はレベル50までに使ってきた武器や防具、そしてスキルによって変化します」
教室は静まり返り、みんながサユリ先生の話に耳を傾けていた。俺もその説明に集中する。
「例えば、戦士が魔法を多用して戦っていると、『魔法戦士』へと進化し、一方で鎧を身に付けて戦うことを主にしていれば『騎士』へと進化します。
逆に魔法使いが剣や斧などの近接武器を使って戦うと、これもまた魔法戦士へと進化し、魔法に特化して戦い続ければ『上級魔法士』というより強力な魔法使いに進化することができます」
俺は頷きながら話を聞いた。なるほど、ジョブの進化は単純にレベルだけではなく、自分がどう戦ってきたかによって決まるのか。
「今から皆に配る本には進化の条件が書かれています。これを読んで自分がどの上位職に進化するか考え、戦い方を決めるのも良いでしょう」
サユリ先生は一冊ずつ本を配っていく。俺もそれを受け取ってパラパラと中をめくった。様々なジョブの進化例や、使用する武器やスキルによってどのような上位職に進化するかが細かく書かれている。
サユリ先生は続けて、スキルについての説明に移った。
「次にスキルです。これは有名ですが、スキルはダンジョン内で手に入るスキルオーブで身につけることができます。スキルオーブはモンスターがドロップすることもあるし、宝箱に入っていることもありますね」
その話を聞いて、俺は一昨日のダンジョン探索を思い出した。俺はボブゴブリンを倒したときだったか。
「スキルは実戦で使ったり練習することでスキルレベルが上がり、レベルが上がればスキルの威力や使用速度が上昇します。そしてスキルレベルには限界がなくいくらでも上げ続けることができます」
へぇ、俺が持っている何に使えるのか分からない火吹きも、使い続ければどんどん強くなれるというわけだ。これは積極的に使わないと損だな。
最終的には竜のブレスみたいになったりするのかね。
「現在、最も高いスキルレベルを持っているのは日本のA級探索者、伊藤ミノル。彼が持つ『斬撃』というスキルは、現在レベル244です」
教室内に驚きの声が漏れた。244レベルというのは想像できる範囲をはるかに超えている。どれほどの時間をかけてスキルを磨いてきたのか、その凄まじさを感じる。
「最後に大事なことを言いますのでこれだけは覚えてください。スキルは最大で10個まで身につけられ、それ以上身につけようとする場合、どれか一つのスキルを捨てる必要があります。
注意しなければならないのは、一度捨てたスキルを再び身につけても前回のスキルレベルは引き継がれないということです。慎重に選ぶようにしてください」
この情報は非常に重要だった。スキルの選択には限りがあり、むやみに新しいスキルを習得しないほうがいいということか。
授業が終わり、俺は改めて自分のスキルや戦闘スタイルを考える。
いやそもそも道化師がどういう進化するのか分からないからどうしようもねぇや。魔法道化師とかになったりするのかね。
「まぁタイムリーな話で面白かったな」
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