死にたがり

K.K

1話 ただ死にたい…

俺はただ死にたい。

理由なんてとうの昔に忘れた。

これからこの縄で、死ぬんだ。

首を吊って…。


自殺趣味の少年 鳥野 新(とりの あらた)は、天井から吊るしてある縄に首を引っ掛けた。


こんなのでも昔は、自殺が怖かったっけ。


初めて自殺をしようと思った時も、首吊り自殺だった。

理由は曖昧だが、確か自殺と言えばで思いついたのが首吊りだったからだと思う。

初めは、心臓の音がいつも以上に煩く聞こえて、縄を握っていた手がブルブル震えて自殺どころではなかったはずだ。

ただ自殺をしようと思った自分に嫌気がさして、泣いて、泣いて、吐いてしまった。

そんな感じだったはずだ。


なんでこんなに怖くなくなったんだろう。


ふとそんなことを考えながら、足場を蹴った。


人は何分の窒息で死ぬんだっけ?


意識がとうのいていく中そんなことを考えていた。


ガシャーン!


誰かが窓を破った音がした。


「何やってんだよ!」


そんな声が聞こえた。

新は気づいたら地面に落ちていた。

縄は切られていた。


「大丈夫か!?」


こいつのせいで死に損なったのか…。


「クソッ!余計なことすんなよ!」


「はぁ!?」


「はぁ…。俺は死にたかったのに…。」


「簡単に死ぬとか言うなよ!なんで死にたいんだよ。」


「……どうせ話したって分からない………。」


鬱陶しいなぁ。


新はそんなことを考えていた。


「もういいだろ。さっさとどっかに行けよ!」


「良くないよ!僕は君のクラスメイトだからね!」


「はぁ……。」


新は謎の少年を部屋から追放した。

縄が切られているからもう使えない。


「はぁ…。」


もうこの縄は使えないな。


新は、ため息をついて縄を解いた。


「明日の準備をしないとな…。」


新は解いた縄をゴミ箱に捨て、そう呟いた。


「めんどくさいなぁ。」


新は明日使う教科書を鞄の中にしまった。

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