ニャゴン団の大逆襲
頑強文熊
「ニャゴン団、世界征服への第一歩!」
――――
ネコ獣人たちが集まる秘密基地、通称「ニャゴンタワー」。その一室に、ネコ獣人たちが集まり、緊張した雰囲気が漂っていた。巨大なスクリーンの前に立つのは、ニャゴン団のリーダー「ニャーダス」。漆黒の毛並みが美しいが、その鋭い目つきはどこかぼんやりしていた。
「ニャゴン団員よ、聞け!今日はついに我々の世界征服計画を実行する日だニャ!」
「おおー!」と、集まった団員たちから力強い声が上がる。しかし、その声とは裏腹に、団員たちはやや緊張した様子だった。なにせ、これまでの計画はすべて、ニャーダスの「気まぐれ」によって失敗してきたからだ。
「まずは、この街の中央広場にある巨大魚のオブジェを奪い、我々の力を見せつけるニャ!」
ニャーダスが示したスクリーンには、キラキラと輝く巨大な魚のオブジェが映し出されている。団員たちの目が輝いた。特に、魚好きの団員「ミャーミャ」が前のめりにスクリーンを見つめている。
「いいぞニャーダス様!あの魚を奪えば、我々はこの街で一躍有名になるに違いないニャ!」ミャーミャが興奮気味に声を上げた。
「そうだとも!では、さっそく計画を実行するニャ!各自持ち場につけ!」
ニャーダスの指示で、団員たちはそれぞれの持ち場に散らばった。しかし、その直後――
「……ん?」
ニャーダスの目が何かに引き寄せられるように、ふと壁に映る光の反射に釘付けになった。
「ニャーダス様、どうしましたか?」副リーダーの「ニャム」が心配そうに声をかける。
「……ニャムよ、あの光を見ろ。何か素晴らしいものを見つけたようだニャ……」
ニャーダスは、光の反射に夢中になり、足を止めてしまった。その間、計画は中断。団員たちは困惑しつつも、リーダーの言動に戸惑いを隠せない。
「えっと、じゃあ私たちはどうすれば……?」ミャーミャが他の団員に尋ねるが、誰も答えられない。
ニャーダスはついに、光を追いかけ始めた。そして、それが終わるまでに数時間が経過していた。
「ニャーダス様……もう日が暮れましたニャ……」ニャムがため息をつきながら告げる。
「……む、そうかニャ。では、今日はこれまでにしておくニャ!」
結局、初めての世界征服計画は、ニャーダスの気まぐれにより何も進展せずに終わった。だが、団員たちはそんなことに慣れているため、誰も文句を言わなかった。ただ一言、「次こそは成功するニャ」と呟いて解散した。
こうして、ニャゴン団の長い世界征服の道は、少しずつ始まりつつあった――かもしれない。
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