世界の樹

ふぶき

第一話 世界の樹

ニ〇☓☓年 新宿区


 ――都内の中心にそれは存在していた――

 

 小さな町を作れるほど太く、東京スカイツリーを飲み込んでしまいそうなほど高い幹。そして雲さながらに広がっている青々とした緑の葉たち。  

 高層ビルが立ち並び、人や電車など様々な音が飛び交う都会に、異様な、それでいて神秘的なオーラを放つ大樹。

 人々はそれをこう呼んでいた――

              

             


               世界樹――と。

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