連れて行かれる

天川裕司

連れて行かれる

タイトル:連れて行かれる


「あの人、何やって…あっ!」

ナイトウォーキングをしていた時、

少し高いマンションの上に人影を見つけ、

何してるんだろうと思っていた矢先、

その影はヒュッと下に落ちた。


「ハァハァ…!」

どうしようか少し迷ったが、

俺はさっきの人が落ちたであろうその場所へ

駆けて行った。でも…


「ハァハァ…あれ?居ない…どこ…?」

何もなかった。あの人が居ない。

さっきの感覚と角度で落ちれば、

間違いなくここに落ちているのに…

と思えるその場所。

何かの理由でどこか別の場所に?

…とも思ったが、それ以上関わるのはやめた。


後日。

「ありがとうございまーす、ありがとうございまーす」

俺は用事でバスに乗り、最寄りの駅まで走ってった。

ここは結構、郊外の土地だからバスは必須。


でもそのバス、途中から暴走し、

崖を突っ切って落ちてしまった。

「うわああ!!」「きゃああ!!」

何人か生き残った者も居たみたいだが、

あの運転手もそこには居なかった。


ニュース「えー今日の昼頃…」

ニュース報道され、警察は運転手の行方を追った。

どうやらその運転手、人生に嫌気がさして、

皆を道連れに自●しようとしていたようだ。

これはその後この世を去った俺だから、

霊的な力が働いて分かったことなのか。

だから俗世間の人はまだ知らない。その運転手の事情を。


運転手は急に怖くなったようで、

ほうほうの体(てい)で逃げ回ったが、

やがて諦め、あのマンションの屋上へ行き、

そこから身を投げた。

おそらくその遺体は又見つかってないかもしれない。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=-VCaSJ1MJE0

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連れて行かれる 天川裕司 @tenkawayuji

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