第2話 変なカニちゃん

カニちゃんは、時々変なことをする。

自販機の下を見たり、道端に落ちているものがないか見たり。

カニちゃんは、


「お金を探してるんだ。」


なんて言ってるけど、道端にお金が落ちてることは珍しいんじゃないかと僕は思う。

ある日僕は、


「カニちゃんはなんでお金を探してるの?」


って聞いた。


「家片親だからお金が足んないの。」


カニちゃんも苦労してるんだなぁ。


「カニちゃんは、何円くらい必要なの?」


「いっぱい必要。毎日3食、食べれるくらい必要。」


そういえば父上が友達を連れてきてもいいって言っていたなぁ。


「今度ウチくる?」


「いいのか!?行くいく!」


「友達だからね〜。特別だよ!」


「ヤクザの家の飯って美味いのか?」


「僕は結構すきだよ。お肉がオススメ!」


「他におすすめはある?」


「んー。お魚のムニエルも美味しいし、味噌煮も美味しいし…。」


「むにえる?なんだそれ?」


「お魚を焼いたヤツらしいよ。作ったことは無いけど。」


「むにえる…。絶対桜ん家に連れてってくれよ!そしてむにえる食べさせてくれ!」


「いーよ。」


最近は、公園の土管の上でそんな話を良くしている。

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