男子校生でもラブコメが描けるか
@sincoscossin
第1話 その子は何?
ある夏の日、俺は親に連れられて田舎の祖母の家に行っていた。幼い俺には祖母の家は退屈で、親戚と親が談笑するなかフラフラと外に出ていた。何を思ったか神社へと向かった俺はそこで1人の少女と出会った…。「何してるの?」と少女は問う。俺は少女に目を奪われていたがそれを悟られないように「分かんない」とぶっきらぼうに言い放った。少し驚いて、少女は不意に思いついたように「18歳になったら結婚しよう!」と言い放って見せた。
は?展開が急過ぎないか?!
「おい、外崎ー起きてここ答えろ」
「絶対だぞ!」
「そうだなこれは絶対値だなー」
ん?いきなり目の前には数学の先生と意味のわからない数字の羅列があった。
どうやら夢だったらしい。ならあの展開も納得だな。
ここで少し自己紹介をしようと思う。名前は外崎、ただの彼女いない歴=年齢の男子校に通う普通な見た目で成績も普通の普通な生徒だ。そんな俺には目標がある。それは日頃から読んでいるラブコメのような体験をすることだ。
ところで君たちは男子校の過酷さをご存知だろうか。どこを見ても暑苦しい男、男、男、男。カップルのインスタを見て欲求を募らせていくばかりの日々…楽しいと思うやつは異常だろう。あまりのやるせなさに、男の胸は積分したら実質女の胸、男の股間は微分したら女の股間とか考えてしまう始末。男を好きだと錯覚するのも仕方ないと思う。腐女子大歓喜で薄い本がどんどん増えてしまう。
そんなことはどうでも良くて、今はとにかく、ラブコメ展開に持ち込みたい、もちろん犯罪抜きの愛情マシマシで。高2になった今がそのチャンスだろうと思い授業中も考え続けているが一向に思いつかない。だから目標を小さくしてみよう。
Round1
「女子と話そう」
思い立ったが吉日、早速俺は行動に移そうと思い、帰りの電車でいつも同じ時間に乗っている可愛いギャルの女の子に狙いを定めた。世の中にはオタクに優しいギャルなんてものも存在するからな、きっと上手くいくだろう。トイレで前髪を整え、いざ行かん!
結果は惨敗。話しかけたはいいものの、何年も女子と喋っていなかった俺はキョドってしまい口から出たのは「あっ」とか「うっ」とかいう言葉ではない何かだけ。しまいには、「キモっ」と貶される始末。俺の心が折れる音が………しなかった。何故かって?罵倒はご褒美だからだ。これも男子校のせいだきっとそうだ。しかもこれ会話が出来ているのでは?!
ということでRound1は俺の勝ち!異論は認めない。
その日の夜、俺はいつも連絡を取っている女の子にDMでこのことを話し、しばらく談笑した後眠りについた。
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