ザ・ダンジョン〜最強違法探求者は正探求者を目指す〜

AKA

第1章

プロローグ

違法探求者 「エンド」


数十年前、突如として現れた「ダンジョン」は、人類に「スキル」などの叡智を授けた。

それ以来、ダンジョンを探索し、資源を開拓する者たち「探求者」は、現代社会を支える重要な存在となっていた。ダンジョンを中心に、法や政治もまたその周りで回っていた。


だが、そんな社会にも異端な存在が少なからず存在する。

彼らこそが「違法探求者」である。


ダンジョンに入るために必要な「探求者ライセンス」を取得せず、ダンジョンの資源を「ダンジョン協会」を通さずに独占する者たち。

彼らの行為は法を犯すものだが、同時に多くのメリットをもたらす。


まず一つ、裏社会の人間にとって、個人情報を残すことは愚の骨頂である。

探求者ライセンスを取得すれば、個人情報が記録されるため、彼らは決して取得しようとしない。


そして二つ目、ダンジョンで手に入れた資源、すなわち「アイテム」は、協会を通じて市場に出回るが、希少なアイテムは協会に提出しなければならない。しかも、そのアイテムは市場に流通できない。しかし、協会を通さずに裏のオークションなどで希少アイテムを流せば、大きな利益を得ることができる。


この違法探求者の中でも、特に異彩を放つ人物がいる。

それが「エンド」である。年齢不明、所属不明の男。


彼は深層にまで到達できるほどの力を持ちながら、違法探求者として犯罪を犯し続けている。

彼の活動が確認された2年前からの被害額は、すでに10億円以上にのぼり、さらに35人の命を奪っている。


これは、そんな違法探求者「エンド」が、正規の探求者を目指す物語である。

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