4日目:猫の好み
猫を飼うと決めたあとも、悩むのはその選択肢の多さだろう。どこから飼うか? 性別は? 性格は? そして見た目も重要かもしれない。
猫飼いの先輩といえばおばになるのだが、猫の好みの話をしたら「鼻がピンクは絶対譲れない」とこだわりを披露してくれた。
ピンクの鼻の猫もたしかにかわいい。しかし私は黒い鼻も可愛いと思っているのだ。
これは犬の話になってしまうけれど、一時期白い犬にハマりまくったことがある。画像を探しては楽しんでいたレベルなので、実際に飼うとかではないけれど、白い毛にピンクの鼻……ではなく、黒い鼻の犬が好みだった。
そして猫も探してみたのだが、これがなかなか見つからない。なんというか真っ白の毛に真っ黒の鼻というのは組み合わせ的に難しいようだ。
そこで出会ったのがポイントと呼ばれる耳や尻尾の先が濃い色の猫。シャム猫カラーと言えばわかりやすいかもしれない。
サイベリアンのポイントカラーは別名「ネヴァ・マスカレード」と呼ばれている。ネヴァ川の仮面舞踏会という意味だそうな。仮面を被っているような模様の入った猫らしく、リンクスポイントなどはなかなか独特な見た目をしている。
その中でも真っ黒な顔に青い目の子猫を見たとき、ほぼ一目惚れしてしまった。黒猫で青い目というのもなかなかレアというかいるのか? と思うけれど、ポイントの場合は顔が黒猫くらい真っ黒になることもある。
こんな猫と一緒に暮らせたら楽しいかも? 毎日見るのであればキレイな青い目なんて最高! と夢は膨らむ。
ただし初めてネヴァ・マスカレードを知った当時はとにかくレアな存在で、国内のブリーダー登録サイトを見ても、本当にごくごく稀に登場するくらい。当然値段もすごかった。
生き物にどこまでお金をかけるのか? これは本当にもう趣味の世界に突入する。100万を超えるお猫様を見ると、なるほど~と納得することもある。
やはり希少性が値段を上げるのだろう。ポイントカラーはそもそもそんなに多くはないのだけれど、それでもコロナ明け辺りから、ちょっと手が出せそうなブリーダさんも増えてきた。
そして今まで希少だった存在は、いつの間にか市民権を経て、更に希少なカラーにその座を明け渡していた。バイメタルカラーやサンシャイン(ゴールド)そしてシルバー。猫の毛色の流行はヨーロッパが最先端らしいけれど、そこから数年遅れで日本にも入ってくるらしい。
というわけで、今やネヴァ・マスカレード専門をうたうサイベリアン専門ブリーダーも出てきている。
10年近く見続けていると、その変化も意外と書けるものだなと自分の長年の執着にちょっと引くこともある。
でも、やっぱりポイントカラーは可愛いのだ。
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