推し活のために、悪役令嬢として断罪されてみせますわ!?
餡子
推し活のために、悪役令嬢として断罪されてみせますわ!?
木漏れ日がキラキラと眩しい中、王宮のバラが咲き誇る庭園で開かれた王家主催のガーデンパーティー。
私と似た年頃の10代前半の少女達が着飾って集まった場には、華やかさと緊張感があった。
それもそのはず、このパーティーは14歳となった第二王子ルイス様の婚約者選びの場であったからだ。
侯爵家の長女として生まれた私エレニカも、12歳という対象年齢だったので参加していた。
ただ当初は新しいドレスで綺麗に着飾れることを楽しみにしていただけである。見た目はともかく中身は鈍くさい自分が、王子妃に選ばれることなど考えてもいなかった。
しかし、である。
運命というものは、時に唐突に降ってくる。
第二王子ルイス様の姿を見た途端。
私は前世で読んだ少女漫画の悪役令嬢であることを思い出してしまった。
ちなみに悪役令嬢の顛末は、サブヒーローだった神官の厳重な監視の元で修道院送り一択。
つまり、私の人生はこのまま進めば……
(修道女になって、推しだった神官様の生活を毎日拝めるじゃないの!)
大歓迎! である。
私の中では、人生勝ち組も同然の未来!
漫画を読んでいた当時は、ヒロインがサブヒーローだった神官と添い遂げられないことに、どれほどハンカチを噛み締めたかっ。
神官の大人の余裕がありながらもちょっと独占欲が激しくて、ほんのりヤンデレみを匂わせる雰囲気が大好きだった。
この世界では修道女になると結婚はできないけど、元々推しは恋愛対象ではなく信仰対象である。アイドルを応援する感覚で、一歩引いた場所からキャッキャッするのを楽しむ派だ。
つまり、このまま悪役令嬢になれば!
間近で推しを拝める生活に飛び込めてしまう!?
こうなったら、推し活のために悪役令嬢として断罪されてみせますわ!
(その為には、まずは王子の婚約者候補にならないと!)
尚、今日はまだ候補者の選抜戦である。正式な婚約は王立魔法学院卒業後となる。
やはり少女漫画なので、婚約者のいる男がヒーローになるのはまずかったからなのだろうか。物語が始まる時点では、婚約者候補達が競い合っている状態だった。
私は最有力候補だったから、悪役令嬢として大活躍していたわけだけど。確かヒロインに巻き込まれる形で、メインヒーローの第二王子も危険な目に合わせたから断罪されたはず……。
死刑や流刑にならずに修道院送りとなったのは、心優しいヒロインの慈悲と擁護があったからだ。ありがとう、好き。
私はきっとあなたの未来を守ってみせるわ!
(今の私に悪役令嬢がこなせるか不安だけど)
なにせ、前世も今世も性格は鈍くさい方だ。
今世の見た目は豪奢な金髪巻き毛に吊り上がり気味のエメラルドグリーンの目という、狡猾でワガママだった悪役令嬢に相応しい姿なのに。
しかしやはりこの先、悪役と言われるくらいのインパクトを残せなければ、断罪されて修道院送りにはなれない。ここは頑張って、ひとまず王子の婚約者に選ばれなければ。
せっかく、待望の未来が見えている第二の人生。
(今こそ本気を出す時!)
改めて伺い見たルイス王子は、漫画よりも若い姿だった。
光を弾いて淡く輝くプラチナブロンドに、周囲を見つめる瞳は綺麗なアイスブルー。すっと通った鼻梁が美しい、ザ・王子様の面影がある。
今はまだ可愛さが残るけれど、物語が始まる4年後には爽やかな青年へと変化する。たぶん。
神官は大好きだったからよく覚えているけど、肝心なヒーローである王子の詳細はあまり思い出せない。顔は好きだったけど爽やかすぎて、好みからやや外れていたせいかもしれない。
だけどどうせ未来では、婚約者になれないどころか修道院に行くのだ。細かいことはいいだろう。
まずは彼の視界に入るべく、王子に向かって一歩踏み出した。
家柄と王子の2歳下という年齢から、立場的には私は最有力であった。
だけどこんな場を設けるくらいには、王家は当人達の相性も重んじているようだ。そうでなければ、漫画では伯爵家とはいえ庶子として受け入れられた平民上がりのヒロインが、いくら第二王子相手でも結婚出来るわけがない。
つまりここで王子に好意を持ってもらわなければ、候補にすら残れないということ。
断罪でもされない限り、侯爵令嬢が修道女になどなれるわけがない。なんとしても選ばれなければ。
(といっても、どうやって口説けばいいの!?)
意気込んではみたものの、プランなどない。
前世の私は大学入学を目前としていた春先に、運転を誤ったトラックに撥ね飛ばされた気がする。多分それが死因である。
それまでは女子校育ちで、恋愛経験など皆無。二次元の恋愛シミュレーションゲームと恋愛漫画だけが頼り。
リアル男子の口説き方などわかるわけもない。兄弟や歳の近い従兄弟もいなかったので、思春期男子の気持ちなんてまったくわからなかった。
挨拶の順番上、最初に王子の前に躍り出たものの、パニックを起こして頭の中は真っ白。
アイスブルーの瞳が、緊張で顔まで血の気の引いた私を怪訝そうに見る。
とにかく動いて、私の口!
なにか言わなければ。王子の気を引く何かを……!
「わ、私を婚約者にしてくださいっ!」
気づいた時には、簡潔かつ明快な願望が口から飛び出していた。
「君を?」
いきなり真っ向からストレートパンチを喰らったような形となった王子は目を瞬かせた。馬鹿正直に欲望を口にした私をまじまじと見つめる。
「……どうせ君も、王子妃になりたいだけなんだろう?」
彼もまだ人生経験が浅いからか、本心を押し隠すことなく猜疑心を滲ませた表情を見せる。まだ顔合わせ段階で人となりもわからないのだから、欲望を丸出しにした令嬢に対する王子の警戒は当然だ。
しかし誤解しないで欲しい。私は王子妃自体には興味はない。
「いえ、それはあまり……王子妃なんて、責任も重いですし。注目されますし。私には荷が重すぎます」
うっかり深い溜息混じりに本音を溢してしまった。
しかし、王子には私の反応が新鮮だったようだ。驚いたのか目を瞠る。
「それならば、どうして」
もちろん、理由は一つである。
「(サブヒーローの神官様を)好きになってしまったからです!」
だからどんな手段を使っても、推しのそばにいきたくて!
王子と言葉を交わす緊張もあり、自分でも何を言ってるのかわからないながらも必死になんとか理由を絞りだした。
後で気づいたが主語が抜けたせいで、良い感じに王子を好いている風になってしまっていた。けど所詮は12歳の小娘の言葉である。相手もそんなに深くは受け取らないに違いない。
とりあえずお試し的に、まずは婚約者候補として採用をお願いします。
ヒロインと盛り上がれるよう、悪役として活躍してみせます! 断罪後は一切お邪魔もしませんし!
後腐れのない、なかなかお買い得の悪役令嬢だと思うんです私!
「……そうか」
私の勢いに気圧されたのか、王子はちょっと身を引いて私から顔を逸らした。
髪から垣間見える耳が赤いように見えたけど、今日は日差しが強いからに違いない。
と思っていたら、じわじわと王子の首から頬まで赤く染まっていく。
えっ。待って。まさか照れてる!?
口元を片手で覆い、バツが悪そうな表情を隠されたが、「わかった」ともう一度呟かれた声は意を決したような強さがあった。
彼は改めて顔を上げて、私を見つめる。
「前向きに検討する」
こんな欲望ダダ漏れな相手にも真面目に向き合ってくれるなんて。さすがヒーロー、懐が深い。
よし! これで第一関門突破!
歓喜のあまり、満面の笑みを浮かべてしまった。
そんな私を見て、ルイス様は息を呑むとまたも目元まで赤く染まった。本当に照れているみたい。
おかげで私までつれて照れてしまう。顔が熱くなるのがわかった。
後日。
意気揚々と結果を待ち構えていた私の元に、王家から私がサインするだけの状態となった婚約届が届いた。
そう、なぜか婚約者候補ではなく。
正式な婚約者として打診されてしまったのである。
(どうして!?)
***
皆さん、ご機嫌よう。
第二王子ルイス様の正式な婚約者となってしまった侯爵家の娘、エレニカですわ。
思わず現実逃避をしたくて、脳内に並べた原作愛好者の皆さんに向かって挨拶をしてしまう。
なぜかと言えば、この度は皆さんに大変残念なお知らせがあるからです。
(いまだに私が、ルイス様の正式な婚約者なんですけれど!?)
現在の私は、王立魔法学院に入学して一年目の17歳。
ちなみに少女漫画の舞台はすでに開始されている。どころか、もう一年も経とうとしている。もうすぐルイス様は卒業してしまいそうだ。
つまり、物語も終盤。
私と同学年のヒロインは、当然の如く入学している。
しかしルイス様には婚約者候補がいないので、女同士の争いが勃発していない。ルイス様には正式な婚約者がいる状態なので、ヒロインからは華麗にスルーされている。
(まずいわ……。でもその分、ヒロインと神官様の距離は縮まっているようだけど)
伯爵家に引き取られるまでは孤児院に身を寄せていたことのあるヒロインは、神官とは顔馴染みだ。今でもよく孤児院の手伝いに顔を出している。
元々、二人を推していた私としては嬉しい。
反面、こんなはずじゃなかった感が強い。
チラリ、と馬車の向かいに座る相手を見る。
今日は昼下がりに王都の神殿に併設された孤児院に慰問に向かう途中であった。向かいには、当然のように第二王子ルイス様が陣取っている。
(予想外に仲良しになっちゃってるんですけど!)
真面目な顔で町の様子を見ていた彼は、視線に気づいたのかすぐに私に視線を向ける。目が合うと嬉しそうに微笑まれた。
そこには、悪役令嬢を厭う気配が皆無。
どころか、愛おしげにさえ見えて頬が熱くなってくる。
前世は彼氏いない歴=年齢でこの世を去った私には、この視線にはどう返したらいいかわからない。思わず恥ずかしさにパッと視線を逸らしてしまう。
(ハッ! 今のは感じ悪い女に見えたんじゃない!?)
と思ったのも束の間、向かいから笑いを噛み殺す声が聞こえてくる。
(ああああっきっと耳まで赤くなっていたのがバレバレだった!?)
心臓がバクバクと激しく踊ってしまう。こんな予定じゃなかったのに。いったいどこで道を踏み違えてしまったの。
これまでも婚約者候補者扱いに格下げにならないものかと、悪役令嬢らしく、ワガママで愛が重い女を演じてきたつもりだ。
いつもルイス様の姿を見れば一目散に駆け寄り、愛されて当然かのように傲慢に振る舞った。
『私以外の、他の女性と親しく話されるなんて悲しいです』
『ルイス様には、私だけを見てくださらなきゃ嫌です』
『私だけをずっと愛してくださいね』
などなど……なんて重い女だろう。ベストオブこんなこと言われたら重い女で賞を授与してもいい。
対するルイス様は苦笑されつつ、
『俺もエレニカ以外と話すのは楽しくないよ』
『いつだって可愛い君を見てる』
『もちろん、君以外を愛することはないと誓うよ』
『エレニカこそ、俺以外にそんな可愛いことを言ってはいけないよ? わかっているね?』
さすがヒーロー、寛大すぎてヤバい。
時折、爽やかさの中にちょっとヤンデレみを感じなくもないほどだ。私を正式な婚約者にしてしまった手前、責任を感じておられるのだろう。
しかし精神面で格下げされないならば、物理的に迷惑な女になるべく奮闘した。
『好きな方からは毎日お花を贈られたいですわ』
『私、ルイス様の瞳の色の小物を集めるのが趣味ですの』
『舞踏会ではルイス様とお揃いの装いにしたいんです』
更に重い女かつ、金使いの荒い女の最骨頂を見せたつもりだ。
(それがまさか、我が家の庭にガラスの温室が設置されたり、世界各地のアイスブルーの宝石が事あるごとに贈られたり、舞踏会では毎回ドレスとアクセサリーをセットで用意されるなんて思わないじゃないの……)
私は毎日花を一輪贈られたり、ささやかな細工品や刺繍糸をプレゼントされたり、一緒に服装を選ぶ時間を望んだつもりだったのに。
しかし、結果としては強欲な婚約者になっているから良いのかしら。ルイス様は、経済が動いて市場に活気が出るから良いと仰られていた。
『エレニカを満足させられるのは、俺だけだよね?』
そう言った時のちょっと仄暗く感じられる笑みを浮かべたルイス様は、こんな女を婚約者にしてしまいヤケになられていたのだろうか。なんだか申し訳ないことをしてしまった。
それにしても、やりすぎではなくて?
なんだかルイス様の方が愛が重くなってない? 気のせい?
もちろん他にも悪役令嬢として、魔法の才能溢れるヒロインに強く当たってみたりもした。
しかしヒロインがヒーローであるルイス様をスルーしている現状では、貴族としてのマナーを指摘するくらいしかできない。
ヒロインのマリエッタ様は素直で真面目であり、すぐに誤りは訂正されていた。
(嫌われるどころか、感謝されてしまったわ)
おかげで今では友人の位置にいる。
おかしい……。しかしヒロインはやはり優しく強く、頑張り屋だ。好き。
尚、ルイス様にも「誰もが言いづらい事を、本人の為を思って教えてあげるエレニカは優しいね」と褒められる始末。
とてもおかしい。
このままでは、断罪されて修道女デビューどころではない。
王子妃になってしまいそうなのだけど!
「エレニカと慰問に行くのは久しぶりだね。エレニカはもっと頻繁に通ってくれているのだろう?」
内心で焦りまくって頭を抱えていたら、不意にルイス様に話しかけられた。
「そうですね。ですが試験がありましたので、私も今回は一月ぶりとなります」
これまで私は、実は神官様目当てで神殿に通い詰めていた。
正確には、友人となったマリエッタ様の孤児院慰問に付き合い、推しの神官様とマリエッタ様が仲良くする姿を拝むためである。やはり尊い。
マリエッタ様相手に大人の余裕がちょっと外れる時の神官様は超絶推せる。近頃では神官様の想いに気づいて、狼狽えて翻弄されるマリエッタ様も可愛い。いつまでも見ていられる。
ただ王子という邪魔者がいないせいか、神官様にヤンデレみは感じられないように思う。
むしろ、今はルイス様の方が……いや、考えるまい。
それ以外にも、いつか修道女デビューした時に困らないよう、神殿には頻繁に寄付をしている。下準備は大事だ。
ただ現時点で、修道女ルートに行ける気がしないのだけど。
(王子妃ルートが敷かれちゃってる気がするんだけど!?)
馬車が到着したので、ルイス様が先に降り立った。すぐに私に手を差し伸べてくれる。
私たちの登場に気づいた子どもが歓声を上げた。慌てて神官に知らせに行く子や、こちらにわらわらと駆け寄ってくる子達がいる。みんな今日も元気そうだ。
「孤児院では随分こども達に懐かれているみたいだね」
「皆さん、素直な子達ばかりですから」
「君に抱きついたりもしてるよね。……ちょっと妬けるな」
支えてくれるルイス様の手は大きくしっかりしている。ぎゅっと握られると近頃ではドキリとしてしまう。
思わず驚いて顔を上げて見つめれば、切なげに私を見る目と目が合う。
途端に、心臓が一気に心拍数を上げた。
そんな目で見つめられると、もしかしてルイス様は私が好きなんじゃないかと思いそうになる。
というか、思っている。さすがの私でも気づく。
(でも、私は悪役令嬢)
だけどこうやって、いつしかこの人が隣にいるのが当たり前になっていて。
隣に立つのが、私以外だったら嫌だな……なんて思うようになりはじめているのは、悪役令嬢の役に入り込みすぎたせいだろうか。
それとも、本当に。
(私も、ルイス様を好きになってしまっているの?)
でも、ヒロインのマリエッタ様がいるのに。
……今の時点でルイス様とは恋愛が始まるどころか、接点すら私を挟んでくらいしか無いけれど。
(あれ? ということは、もし私がルイス様を好きでも、問題ないんじゃ……)
その時、向こうから神官様とマリエッタ様が仲良くやってくる姿が見えた。
二人の姿は今日も尊くて眩しい。思わず実際に目を細めて見つめてしまう。
「駄目だよ、エレニカ」
その時、不意に手を引かれた。距離が縮まり、すぐ耳元でルイス様の低く囁く声が鼓膜を震わせる。
えっ。何が駄目だった!?
驚いてまん丸に見開いた目でルイス様を見れば、熱のこもった瞳が私を見つめる。
「よそ見したらいけないよ」
「よそ見!?」
いま私は、マリエッタ様と神官様を愛でていただけですが!
「俺が、何も気づいてないとでも思ってた?」
僅かに瞳を翳らせたルイス様は、ドキリと心臓が竦むことを言い出した。
(まさか、私があの二人を推していることに気づかれていた?)
いつしか、マリエッタ様がルイス様を好きにならないように、なんて。そんなことを願ってしまった浅ましさを、見透かされたんじゃ……。
心臓がバクバクと激しく脈を打つ。指先まで緊張で冷えていくかのよう。
「きみがあの神官を気にしているのは知っているよ。だけどきみが俺を好きだと言ったのだから、今更逃がしてなんてあげないからね」
しかし私の耳に届いた言葉は、予想をみごとに裏切るセリフだった。
おかげで、ぽかん、と口を開けた間抜け面をしてしまった。
そんな私の反応を見て、ルイス様もちょっと驚いたのか目を瞠られる。
「えっと……ごめん。もしかして、違った?」
ルイス様のやや引き攣る顔を見て、私までどんな顔をしていいかわからなくなる。
まさか私は、今まであの二人を見る時にニヤニヤしてしまっていました!?
「私が神官様を……? いえ、気にしてはいるんですけど、マリエッタ様と二人でいらっしゃる姿が一番好きでして。二人が仲良くて、いいな、と……いうだけでして」
説明すれば、ルイス様は絶句して少し耳が赤く染まる。
(……。もしかして私たちは二人とも、お互いに食い違っていた?)
私は、ルイス様がマリエッタ様を想うことを心配してて。
ルイス様は、私が神官様を好きだと勘違いしていた。
確かに神官様は好きですけど、ルイス様が考えている好きではまったくない。これはもっと……そう、信仰心みたいなものだ。
なんだか私たちはものすごく遠回りしてきたみたい。ほとんどが、悪役令嬢であることにこだわっていた私が悪い気がする。
誤解させてごめんなさい。
紛らわしい態度ばかりで振り回して申し訳なかったです。
でもこれからはちゃんと、斜め横からではなくまっすぐにルイス様に向き合いますので!
推し活のために断罪される悪役令嬢になるつもりの私でしたが、
「私が好きになってしまったのは、ルイス様ですからね!」
初めて会った時に告げた言葉を、今度はちゃんと正しい主語付きで伝えた。
今はちゃんと、爽やかな陰で独占欲が強くて、ちょっとヤンデレみもあるルイス様が大好きです!
ぎゅっと手を握り返したら、ルイス様はとても照れたように笑った。
「俺も、エレニカが大好きだよ」
本当に嬉しそうに言うと、周りに見せつけるみたいに私を両腕で抱きしめた。
推し活のために、悪役令嬢として断罪されてみせますわ!? 餡子 @anfeito
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