ESCAPE④ 羽越連続殺人事件

第2話

　羽越地方へのリフレッシュ旅行が、結城、藤堂、美咲、そして佐藤警視正の4人にとって、とんでもない逃走劇に変わるなんて、誰が予想しただろうか。

旅行初日は何事もなく進行。温泉に浸かり、美味しい地元料理を堪能し、「これはもう天国だな」と、結城は満足げに言っていた。だが、翌日、彼らが訪れた小さな町で事態は一変した。

その町は、どこかしら静かすぎて、まるで時間が止まったような場所だった。藤堂が「この辺は昔、いわくつきの場所だったらしいぞ」とさりげなく言った瞬間、美咲が「あれ、誰かに見られてない？」と不安げに振り返った。佐藤警視正は「気のせいだろう」と笑い飛ばそうとしたが、次の瞬間、数人の見知らぬ男たちに取り囲まれた。

「おい、何者だ？ここで何をしている？」男たちは険しい顔で問い詰めてくる。結城は「いや、ただの観光客なんですけど…」と返すが、どうやら彼らは観光客ではなく、何か別の目的があると勘違いしているらしい。

ここから、まさかの逃走劇が始まった。藤堂が「全員走れ！」と叫び、4人は一斉に逃げ出した。美咲は「これってまるで映画みたい！」と息を切らしながらも、どこか楽しんでいるようだ。結城は「温泉でのんびりするはずが、こんなことになるなんて！」と愚痴をこぼしつつも、必死に走る。佐藤警視正は「ここまで来たら捕まるわけにはいかん！」と冷静に周囲を見渡し、逃走経路を考え始めた。

彼らは細い路地を駆け抜け、ついには山道に入った。ところが、男たちは執拗に追いかけてくる。「なんでこんなに必死なんだ？」と藤堂が疑問を抱く中、結城が「もしかして、何かヤバいことを見てしまったのかもしれない」と推測する。

途中、藤堂が偶然見つけた古びた神社に身を潜め、男たちの目を欺く。美咲が「まさか、こんなところでかくれんぼすることになるとはね」と苦笑いする中、結城は「これが本当の隠密行動ってやつか」と冗談を言って場を和ませた。佐藤警視正は、いつでも飛び出せるように息を整えている。

やがて、追手が去ったことを確認した4人は、息をひそめながら町を抜け出し、なんとか車に戻ることができた。「この町、二度と来たくないな」と結城が言うと、全員が同意した。

その後、彼らは安全な場所まで移動し、何事もなかったかのように旅行を続けることにしたが、誰もその日の出来事については一切口にしなかった。羽越旅行は、のんびりリフレッシュの予定が一転、忘れられない逃走劇となってしまったのだった。