賤民隊の没落貴族

たそがれキャンディー

第1話

二人は震える手で魔法を紡いだ。

魔力が光となり我が子の焼けただれた体を包み込む。

苦しみに歪んでいた子の顔が少しずつ穏やかになり、呼吸が深くなる。



そして、かすれた声で発した。


「…パパ…ママ?」


奇跡が起こった瞬間だった


そしてこれが始まりであった。

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