第118話 新天地への旅立ち

マリリアの処刑から1年後、未だに復興作業は続いていたが、人々の顔には笑顔が戻りつつあった。


イェリアナとシルリラの行方は不明だったが、森人族へと戻った複数の文官の証言で既に亡くなっている事が判明した。彼女達2人は稀代きだいの悪女として歴史に刻まれたが、スーベニアはマリリアの墓の隣に彼女達の墓を作り、他の戦争被害者と共にとむらった。


北と南の大陸を繋ぐ航路では頻繁に船が行き交っていた。かつての軍艦は輸送船へと姿を変え、物資や人を運んでいる。大陸間での移民も僅かだがいる。その移民の中にガイとフレミアの姿があった。ガイは連邦軍の司令官に推挙されていたが、それを断り、北の大陸へ行くと言い出したフレミアに付いて来ていた。


船の甲板に立つガイとフレミアが海風を受けながら沈みゆく夕陽を眺めている。フレミアの腕には未だ幼いマリリアの子供が抱かれていた。



第八部 完

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