百合と片耳のイヤリング
風宮 翠霞
まえがき––プロローグ
いきなりぶっちゃけますと、私は女性の同性愛者、所謂レズビアンです。
いや、まあ私が今まで好きになった人が女性だっただけで、男性も好きなバイセクシャルである可能性はありますが、少なくとも私が今まで恋をした人は皆女性でした。
理解できないと思うでしょうか?
気持ち悪いと思うでしょうか?
近年は随分と性的マイノリティへの理解が深まり、「百合」や「GL」と呼ばれてレズビアンのコンテンツもよく見るようになりました。
ですが、私は実際に「漫画は別にフィクションだから楽しめるけど、リアルは……」と言われた事があります。
少しずつ理解者は増えているとはいえ、同性愛者への偏見というのは消えません。
もし、「両思いになって幸せになりました。めでたし、めでたし」という小説を期待している方がいらっしゃいましたら、すぐに読むのをやめる事をお勧めします。
この先で話すのは、私が小学生、中学生で経験した三度の恋愛の話です。
相手の連絡先はすぐに消したので、相手側がどうなったのかは知らないし、微塵も興味がありませんので知りたいとも思いません。
なので、ざまあ小説や恋愛小説のように読了後にスッキリ出来るようなものではないでしょう。多分、今振り返ると胸糞悪い展開ばかりで楽しめるものではありません。
一応断っておくと、別に同性愛者だからと言って一方的な被害者面をするつもりはありませんし、異性愛者の方でも同様の経験をした事がある人はいるかもしれません。
私視点の記述ですから主観は多々混じっているとは言え、出来るだけ当時の事を忠実に書いたつもりです。
面白くなどなく、むしろつまらない駄文だと思います。
「こんなものを読ませるなんて何を考えているんだ?」と言われるかもしれません。
ですが、届いてくれたら良いと思うのです。
私と同じように、誰にも言えずに苦しんだ経験があるレズビアンの方に。
貴方だけではないのだと。
同性愛者ではない方に。
このような思いを抱えている人がいるのだと。
これを書く目的は、少しでも同性愛者の事を知ってもらう事。
そして、私の記憶の整理です。
全てが誰かのためであるとは言えません。
私は聖人君子ではない、利己的な人間ですから。
これを書き始めたのは、私が記憶と気持ちを整理して少しでも前を向きたいという思いが出発点です。
伝えたいというのも自己満足でしょう。
何故なら、これは「あくまで、個人の話」だからです。
この話が、全ての同性愛者の方々、異性愛者の方々に当てはまる訳ではありません。
だから、あくまで一例程度に。
誰かに頼まれたわけでもなく、自己満足の願いでこの話を綴っています。
この話を踏まえた上で、この先の話が貴方の見る世界を広げるきっかけになればと、愚考いたします。
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