魔王の娘を聖女さまと勘違いして一緒に冒険している件。
わたしロゼおば★(ピンクマン)
プロローグ
静寂の夜の森の中。夜を生きる生き物の声が響く。
そんな中、ごうごうと揺らめく明かりの中で
うねる若い青年、ダミアン・レオナルドは迷っていた。
「どうしてこうなったんだ・・・」
彼は折れた枝の上に座りながら嘆く。森に入ってからというものの、出口が一向に見つからない。
食料ももう底をついており、後戻りする道もわからない。
「誰か助けてくれー・・・」
草の揺れる音しか聞こえない。
少しずつ明かりも消え、闇が彼を包み込む。
眠気と疲れが体を蝕み続けていた。
「・・・どうしよう。マジで終わった。」
いくら魔物の発生がおさまったとはいえ、夜の森は危険であり、自分の視野を守るための光を失った。
ここで終わるのか・・・?まだ夢を叶えられていないのに。
そんな彼の思考を遮るように、遠くから微かな光が漏れ出した。
まるで彼を救う道標のように、ダミアンを導いていたようだった。
「ん?・・・光だ!行ってみよう!」
彼は迷わず光の方向に進み始めた。草をかき分け、枝を避けながら進むと、やがて視界が開け、古びた教会が彼を祝福するように淡く光っていた。
「こんな場所に教会があるなんて。」
彼は驚きながらも、疲れた体を引きずり、教会の重厚な扉にノックをする。
返事はない。
ダミアンは一瞬躊躇したが、教会の扉をそっと押してみることにした。
扉はギシギシと音を立てながら開き、外の暗闇とは対照的な淡く明るい光が彼を迎え入れた。
「あの、ごめんくださーい・・・」
彼の声は静かに響いた。教会の中はひっそりしていて、時間が止まっているようだった。
「・・・すみませんが、少し休ませていただきます。」
ダミアンはそう呟き、教会の中に入る。
中には、多くの椅子、絢爛なガラス装飾、そして祭壇の前にある見慣れた女神像。
彼は軽く女神像に会釈をし、椅子の端に荷物と腰を下ろす。
そしたら、疲れ切った体はすぐ安らぎを求め、視界がぼやけ、意識が薄れていく。
その時、ふわりと彼を支える姿があった。
「おやすみなさい。私の・・・さま。」
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「ぉ、ーーーかぁ?、ーーーですかー?」
ね、眠い。確か、昨日の夜、森で遭難して・・・
「ぉてくださあいーーー」
その後教会を見つけて・・・
「オーキーテークーダーさーいー!!」
「うわあっ!!」
「おお、やっと起きましたぁ?お目覚めですか、お寝坊さん。」
寝起きの頭には高い声で、フレンドリーすぎる笑顔を浮かべるシスターが俺の顔を訝しげに見てくる。
あっ!なんだ、人いるじゃん!
ちょっと安心した。
「ああっ、すみません!俺、ちょっと迷っちゃって。」
しっかり頭を下げよう。と思ったが、体が痛くて下げられない。
「あぁあぁ。無理しないでいいですってぇ。
・・・あ。そうだ。ちょっと待っててくださあい。」
そういって彼女は部屋の奥に行って、木製のカップを両手に持って俺のところに持ってきてくれた。
「特製ハチミツ水です!疲れた体にバッチリなんですよぉー」
「ありがとうございます。・・・美味しい!」
さすがハチミツ!俺の体が少しずつ元気になっていくような味で美味しかった。
「あ、そうだ。お兄さぁん、どうしてこの森に?」
「ああ、実はこの森の先に用事があって。抜けようと思ったんですけどこの通り、迷ってしまって。」
「あらまぁ、それは大変でしたねえ!でも安心してください、ここは安全ですからね、まぁちょっと?ネズミとか出てきますけど・・・」
「・・・」
口に手を当てて驚いたり、胸を張って自慢した後、ちょっと縮こまったり。
とてもシスターさんは表情ゆたかだった。
なんか絵に描いたような動きで口が閉まらなかった。
「と、とにかく!『聖女』さまがあなたを受け入れてくださったことなので、挨拶だけでもしていってくださいよぉ」
手を合わせ、シスターさんが話を強引に変えた。
「聖女さま・・・。そうですね。ここに素泊まりさせていただいたから、そうします。
はちみつ水、ごちそうさまでした。シスターさん。」
「んふ。エリゼとお呼びください。」
ニコッと無邪気な笑顔を浮かべる。
「ダミアン・レオナルドっす。助かりました。エリゼさん。」
ということで、エリゼが言っていた聖女さまに会いにいこう。
俺は荷物をまとめ、さっき教えてもらった聖女さまの場所へ向かう。
それはこの教会から少し歩いた先の湖で毎朝祈りを捧げているーーーみたいだし、挨拶していこう。
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湖にたどり着くと、白い衣をまとい、祈りを捧げる金髪の美少女がいた。
後ろ姿でも気品さを感じて、息をするのを忘れてしまう。
「・・・ゲホッげほっ」
少しむせてしまった。
「あら?」
振り返った彼女の姿を目にした瞬間、思わず息をのんだ。
こんなにも美しい人がこの世に存在するのかと、目の前の光景が信じられなかった。
柔らかな光を受けてふわりと揺れる髪は、まるで黄金の糸で編み込まれたかのように輝いていた。
風にそっと翻るその髪の毛は、あたかも神の手が優しく撫でているかのようで、その様子に見惚れてしまう。
彼女の細くしなやかな首筋から肩にかけてのラインは、まさに彫刻のように美しかった。
何とも言えない優雅さが、彼女の存在そのものを引き立てていて、目をそらすことができない。
濡れた衣が映し出す曲線は、自然が創り出した最も美しい形を映し出しているようで、目に映るすべてが完璧だった。
そして、その顔立ち。整った鼻筋に柔らかな唇、そして瞳の奥に宿る輝きが、見る者の心を温かく包み込む。
まるで、目の前にいるのは神々が丹精込めて創り上げた最高傑作のようで、彼女のすべてが完璧に調和していた。その美しさに圧倒されるだけでなく、彼女の存在が、自分の心に静かに深く染み込んでくるのを感じた。
目の前の彼女が『聖女』と呼ばれるのも、何ら不思議ではない。こんなにも美しく、心を奪われる存在が、まさに神の祝福を受けた存在に違いない。
「・・・ふふ。旅のお方、昨日はぐっすり眠られましたか?」
声が甘くて、魅了してくるような声でドキドキして、ちょっと声が上擦った。
「あ、はい。昨夜、教会でお世話になりました、ダミアン・レオナルドです。『聖女』さま。」
「ふふふ。そう緊張なさらないでください。」
聖女さまは、軽やかに一歩ずつ俺の方に近づく。
そのたびに水で光り輝く彼女の髪が柔らかく揺れ、息を呑むほどの美しさを放つ。
顔と心臓部があつくなってきて、自然と祈る姿勢をとっていた。
すると目の先に足が見えてきて、彼女の声が優しく響いた。
「どうか、顔をあげてください。」
俺は驚いて、顔を上げる。
彼女の顔は近くで見ると幼さが際立つが、その瞳には不思議な深さと、どこか神秘的な魅力が宿っている。
彼女がただそこにいるだけで、全身がじわりと緊張し、心の中に静かな敬意が芽生えてくるのを感じた。
そんな彼女の微笑みが一層、俺を魅了する。
「聖女とは言っても、私はただの世間を知らない女ですから、そんなに敬う必要はありません。」
そう言って彼女は手を差し伸べた。
聖女さまは謙虚でありながら、赤い瞳からは自信を感じて、彼女本来の優しさに触れることができて、心が温かくなった。
この恩に報えなければ。
優しく手を掴み、俺は立ち上がる。
「ありがとうございます。俺はダミアン・レオナルドです。」
「私のことは、そう。リリーとお呼びください。」
そう言って、聖女さまもとい、リリーさんは俺の右手を両手で包み込み、にこりと微笑んだ。
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リリーさんは祈りの道具をまとめ、体を拭き終わった後、俺たちはしばらく会話に花を咲かせていた。
しかし、太陽が高く登り始めた頃、静かに息をついた。
「そろそろ教会に戻らないといけません。森の中を一人で歩くのは、少し心細いですが・・・」
彼女の言葉に、俺は即座に反応した。リリーさんに恩返しがしたいという思いが胸にあったからだ。
「それなら、俺が護衛します。道中の障害にはお任せください。」
リリーさんは少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに穏やかに微笑んだ。
「それは心強いです。ありがとうございます、ダミアンさん。」
こうして、俺はリリーさんを護衛しながら教会へ戻ることになった。
リリーさんに進む道を伺いながら、緑のトンネルを進んでいく。
彼女は俺の隣をあるきながら、時折こちらに視線を向ける。
俺は彼女を守る決意を固めつつ、その視線に気づかないフリをして、周囲の警戒を怠らないようにしていた。
バリイッ!!
その時、突然森の奥から木をえぐるような音が響き、リリーさんは恐怖によって小さく息を飲む。
俺はそんなリリーさんを庇うように前に立ちはだかった。
「最近、ギルドで物騒な噂をよく聞きます。どうやらその弊害の正体でしょうね。
・・・少し離れていてください。」
俺は剣を握りしめ、少しずつ近づいてくる音のした方に目を凝らす。
木々をえぐりながら現れたのは、奇妙な形をした魔物だった。生き物の形を保つことが難しそうな、ぐにゃりと歪んだ体を持ち、その不規則な動きはまるで悪夢の中の存在のようだ。
「!?なんだ、これは・・・」
その瞬間、魔物はぐるりと顔をこちらに向け、牙を剥き出してこちらへ襲いかかってきた。
俺は剣を構え、リリーさんに向かわせないように守りながら魔物の攻撃をかわす。
剣を振りかざし、一気に魔物へと突き刺し、倒すことに成功したように見えた。
しかし、えぐれたように見えた体は粘膜のように接着し、再び形を整えて反撃をしようと集まっていく。
「スライムとアンデットが絡んでるのか、なら・・・!」
俺はポーチに忍ばせていた聖水を剣に流し、立ち上がった魔物に叩き込む。
』「ギャあああああああああ!!」『
効いてる!俺はさらに強く剣を振り、魔物に連続で攻撃を加えた。体を刻むほど、少しずつ魔物の動力源、魔石が見え始める。
見えた!
俺は魔石に全力で剣を振り下ろし、とどめを刺す。
魔物は叫び声を上げながら体が崩れ、そのまま霧のように消え去った。
「ふぅ・・。こんな魔物、見たことない。
大丈夫でしたか、リリーさーーー」
ぎゅっとリリーさんが駆け寄り、抱きついてきた。
しっかりした温もりが伝わる。
「ありがとうございます!あなたがいなかったら、どうなっていたか・・・」
彼女の声は震えていて、俺は自然と腕を回し、安心させようと抱き寄せ、優しく彼女の背中を撫でる。
「リリーさん、少し落ち着いてください。大丈夫ですから。」
「・・・あなたのおかげで、本当に助かりました。」
リリーさんは涙ぐみながらも、感謝の気持ちを込めて俺を見上げて笑った。
その笑顔は「聖女として」ではなく、ただ一人の人間としての純粋な感謝が表れていて、
俺の中で、彼女の存在を大きく感じて、心が温かくなった。
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教会に戻ると、エリゼさんが心から安堵した様子で俺たちを迎え入れた。
「ダミアンさぁん!せいじょさまぁ!無事でよかったですぅ〜!」
エリゼさんは涙ぐみながら俺の手をとり、感謝の意を示した。
その後、リリーさんはエリゼさんと軽く耳打ちをした後、エリゼさんは部屋の奥に向かう。
二人っきりになった時、リリーさんは俺に向かって真剣な眼差しを向け、丁寧にお辞儀をした。
「ダミアンさん。本当にありがとうございます。おかげさまで無事に戻ることができました。」
「いえいえ。これは俺がやりたくてやったことなんですから、お気になさらないでください。」
俺がそう言った時、
リリーさんはわずかに頭を下げると、ちょいちょいと膝をつくように催促した。
ちょっと困惑しながら従うと、少しばかり躊躇いながらも、確かな決意を持って俺を包み込むように優しく抱きしめた。
「っ!?」
どくん、どくんと彼女の少し早い鼓動を感じ、俺の心臓はドキドキ高鳴る。
もう恥ずかしくて仕方ないのか、リリーさんからの抱擁が解かれると、彼女は少し火照った顔で真剣に俺の顔に手を添え、そのまま顔を近づける。
彼女の赤い瞳が俺を愛しむようで、鼓動がどくどくと早くなる。
「これは、私の心からの感謝のしるしです・・・。」
ふわり。彼女の唇が俺の唇を包み込んだ。
あまりにも突然すぎて俺は固まってしまう。
唇の感触は柔らかくて、優しくて、目が離せない。
リリーさんの唇が離れると、彼女はほんのり年相応な微笑みを浮かべながら、
俺の右手をスッと手に取り、そのまま右手の甲にもキスをする。
このキスはどこか神秘的で、俺の心臓はさらに脈打ち、体の中で異常な熱が広がっていく。
口付けが終わったリリーさんは、優しく微笑んで、俺をずっと見つめてくれていて、俺は完全に取り乱しそうになり、胸の中で混乱と喜びが入り混じっていた。
「え、えっと、・・・リリー、さん、こ、これって・・・」
言葉が出てこない。俺の頬が熱くて、視界がぼやける。心臓は早鐘のように打ち、冷や汗が額に滲む。
リリーさんの笑顔が、唇の感触が、右手を支える温もりが、俺を包み込んでいく。
「あなたが私を守るために剣を振るう姿は、まごうことなき勇者さまのようでした。
あなたとなら、私の使命を果たせるかもしれない。」
またリリーさんは俺に顔を近づけ、赤い瞳を光らせるように、あつい視線を向けながら、俺に聖女としての使命をささやく。
「ダミアンさま、いいえ、勇者、ダミアンさま・・・」
どくんと、「勇者」という言葉が俺を高揚させる。
俺の目指していたもの。
俺を置いてあいつが手にしたもの。
幼い時の・・・夢。
リリーさんの言葉が、俺の中で眠っていた、熱い夢や希望を再び呼び起こす。
はぁ、はぁ。と息が止まらない。そんな俺の反応を構わず、リリーさんは再び、優しく、情熱的に口付けを重ねる。
彼女の唇が、俺の心臓の鼓動とシンクロし、息苦しさを忘れるほどの熱い感情がこもっている。
その瞬間、全身から熱を放出するように、俺の力が抜けていく。リリーさんの温もりと口付けが、俺の全てを包み込み、意識が次第にふわりと遠のいていく。
リリーさんの声が遠くで聞こえ、彼女のての温もりが俺を支え続ける。その感覚が薄れていく中で、
リリーさんの存在がより一層、神秘的に、俺の中の深い特別な思いが広がっていった。
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失神した彼をエリゼがベッドに寝かせた数時間後。
ベッドでダミアンが静かに眠っている間、リリーは彼の横顔をじっと見守っていた。
その視線は愛おしさと感謝が混ざり合った深いものだった。
彼の右手がわずかに布から覗いている。その手の甲にはリリーが唇を触れた場所に浮かび上がったアザがある。
リリーはそのアザを見つめ、赤い瞳に光を宿らせた。彼女の指がゆっくりとアザに触れる。その手つきは驚くほどに優しさが込められていた。
ダミアンの右手に浮かぶアザは、一見すると単純な模様に見えるが、よく見るとその形は複雑で、
中央には渦巻くラインが描かれ、周囲に細かい線が絡み合っていた。
まるで一部しか見えていない巨大な図形の一変のようだった。
そのとき、エリゼは教会の古い文献を片手に部屋に入ってきた。
彼女はリリーが見つめている彼の右手に目を留め、驚いた表情を浮かべた。
「リリス様、このアザは・・・」
エリゼが声を潜めて尋ねる。
リリー、もといリリスは微笑みを浮かべ、ダミアンの右手に浮かぶアザを指先で軽くなぞる。
「ええ。これは勇者の証。彼が私の運命の人である証拠よ。」
エリゼは古い文献のページを開き、
『高貴な魔族に見染められた勇者には、勇者の証である紋様を授けられる』と記されているページの部分を示した。
リリスは目を細め、再びアザに触れながら答えた。
「この紋様は、魔王たるモルガーナ族である私からの愛の印。ダミアン様が私を守るために示した勇気と、私への深い愛が形になったもの。彼は私の使命を果たすための力となる・・・。」
エリゼは驚きと不安が入り混じった表情を浮かべたが、リリスの言葉に静かに頷いた。
彼女もまた、この紋様がもつ特別な意味を感じ取っていた。
リリスはダミアンの手を優しく包み込むように、再びその手に触れた。
彼の存在が、自分の使命をより強く感じさせるものであるということを、深く実感していた。
そして、彼に対する愛が一層深まり、彼女の心の中で特別な感情が静かに燃え上がっていた。
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次の日。俺は爽快な気持ちで目を覚ました。
昨日のリリーさんとの激しいキスを思い出しながら、全身から感じる心地よい疲労感と、
その後のリリーさんからの接触がとてつもなかったことを実感して、またドキドキする。
「また教会の世話になっちゃったな・・・。ん?」
俺は少し申し訳ない気持ちを抱えつつ、
右手の甲にある謎の紋様に目が入る。
昨日までなかったけど、この模様が神秘的で、じっと見ていると何かが俺を祝福してくれてるような、神様的な何かが俺を歓迎してくれている感覚が広がる。
ますます不思議になって、周りをなんとなく見回していると、
荷物から飛び出てる地図を見た瞬間、教会にきてから忘れてた仕事を思い出す。
「あっ!依頼っ・・・!」
俺は急いで身支度を整えて、部屋を出る。
そして教会の正門をくぐった瞬間、
俺はあまりにも驚いて立ち止まってしまう。
なんということでしょう。
リリーさんが、まるで聖女の装いをした冒険者のような姿で俺の前に立っているではありませんか。
普段の優雅さと清楚さに加えて、戦士のような気品が漂っていて、とても目が離せられなかった。
「リリーさん、その格好・・・」
戸惑って、リリーさんに答えをきこうとすると、エリゼさんが後ろから突然現れて、
まるで王様が勇者に選ばれたものに告げるように堂々と宣言した。
「ダミアンさまぁ!あなたは勇者に選ばれましたぁ!」
ゆ、勇者だって・・・!?
俺の心がまた呼応する。
そんな俺のことを褒めるようにリリーさんは微笑みながら、俺に歩み寄る。
「ダミアン様。私はあなたと共に、聖女としての使命を果たす旅に出ます。
それは、・・・そう。世界を救うための、大切な使命なんです。」
そして、リリーさんは上目遣いで、甘えるようで可愛かったが、真剣な赤い瞳で俺を見つめる。
「ダミアン様、・・・勇者様。私と、世界を救っていただけませんか?」
その言葉に俺の心は再び高鳴り、
使命感と幸福感で溢れかえった。
そうだ。俺は、アイツに、追いつくために勇者になりたかったんだ。
もう、答えは決まってるだろ。
俺は膝をつき、彼女の右手に口付けをして答える。
「ええ。もちろんです!聖女、リリーさま!」
俺は、世界を救う旅に出発するのだ!
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