【実話】甥っ子の体験したちょっと怖い話
川上 とむ
第1話『祐介』
私には10歳ほど年の離れた甥っ子がいる。
仮に祐介としよう。
小さい頃の祐介はいわゆる『見える子』だった。
誰もいないベランダに向かって手を振ることなど日常茶飯事で、年齢が上がればそのうち見えなくなるだろうと思っていた。
そんな祐介も中学生となった頃、当時大学生だった私は姉の家に下宿していた。
つまり、祐介とひとつ屋根の下で数年間暮らしたのである。
その中で、いくつか記憶に残った話があるのでご紹介しよう。
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