錬金術師カルミア・ル・フェの記録
観音崎 優
傲慢の章「紅き断罪の薔薇」
第1話
遥か昔、この地に君臨していた王族の中にとても可憐で我儘な王妃様が居ました。
王妃様は常に豪華に振舞い、自身が一番でないと気が済まない性格をしていました。常に豪華に振舞っており民が財政難を訴えても豪遊を止めることはありませんでした。誰も王妃様が、そのように振舞っているのをその目で見たことはないのに訴え続けました。
しかし、それは王妃様を妬んだものが仕組んだことだったのです。
王妃様の人望を失くし、国から追放されるように仕組んだ彼女を妬んだものの仕業だったのです。
本当は誰よりも子供も、国も、民も愛した幼く可憐な王妃様。
民も国も、真意を知ることはなく王族への怒りが積もり積もって革命が起こりました。
革命の中で、とある処刑方法が生み出されました。首がスパンと飛ぶ、とても画期的な娯楽になるその処刑道具の名前は「ギロチン」というのだそうです。
王妃様はとうとう捕まって牢獄へ送られて、そのまま処刑台へと背中を押されました。
その処刑台に進んだとき、王妃様は謝って一人の処刑人の服の裾を踏んでしまったそうです。王妃様は、困ったように微笑んで「ごめんなさいね、ムッシュ」と告げて首を差し出します。
王妃様は、何も恨むことなく。ずっと、ずっと民も国も大好きなままの幼く可憐な王妃様は、首をすぱんと落とされました。
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