第3話


《確か、目の前に見える、大きな城が首都フィーアだったわね。》


そう思いながら、周囲に視線を向ける。


平原には、周囲にプレイヤーらしき人達がチラホラと見える。


流石に、首都の傍だけに、周囲には危険なMOBモンスターキャラはいない。


ウサギに犬や猫などの、小動物の姿は見えるけど。


取り敢えず、のんびりと首都に向かって歩き出す。


私は、CBクローズベータの抽選に外れたので、残念ながら正式サービス開始組み。



★クローズベータ★

*正式サービス前に、数千人ほどの可動テストを兼ねたテストプレイヤーに遊んでもらい。

*ゲームの感想や、ゲーム性を批評して貰う期間サービス。

*CBの期間は、課金料金無しで遊べる。

*ただし、CBでのプレイヤーデータは基本的に受け継ぎがないゲームが多い。



リアル時間で5分ほど歩くと、首都フィーアに到着する。


門をくぐり、街の中に入る。


街の中には、既に何人ものプレイヤーの人が居て。


NPCノンプレイキャラクター相手に、早速武器防具の購入をしている。



《武器防具を揃えなきゃ》


そう思い、早速私も、NPCノンプレイキャラクターがやっている、武器防具店の店主に話しかける。


NPCノンプレイキャラクター


*プレイヤーが操るキャラクターではなく。

*プログラムに寄って、決められた行動・受け答えをする人型のキャラクター。



「買い物に来たよぉ~。」


NPCノンプレイキャラクターに向かって、買う気がある事を伝えるワードを言う。


★基本的に、NPCノンプレイキャラクターの売り子は話さず、プレイヤーのコマンドワードに反応する★


すると、目の前に、半透明のパネルが映し出されて、色々な武器防具が並んだグラフィックが投影される。


試しに、ロングソードの場所をタッチしてみる。


すると、右手にロングソードが具現化しててのひらの中に収まる。


「とっ!」


イキナリ具現化したロングソードを落としそうになり、短い声を上げて慌てて握る。


ズシリとした重さが感じられ……ない!?


「軽っ!」


余りの見た目とのギャップに、私は思わず声を出していた。


「んっ? 姉さんは、正式サービス開始組か?」


私の上げた声に、隣の男性プレイヤーが声を掛けて来た。


「えっ! あっ、はい。 そうです。」


私は慌てて声を掛けてきた男性プレイヤーに返事をする。


USOウソじゃ、必要筋力値が足りてれば。


武器防具は、玩具のように軽く感じられるのさ。」


そう言って、ニコリと笑う。

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