【完結】彼女を妃にした理由
つくも茄子
本編
第1話プロローグ
ファブラ王国の若き王、ラミロ国王の元にカルーニャ王国のエルビラ王女が、正妃として輿入れをする際に、両国ではある約定が決まった。
花嫁は十歳になったばかりの幼い王女。対して花婿は二十五歳。十歳の年の差婚。
『十歳の花嫁に閨は無理である。ラミロ国王に側妃や愛妾を持っても受け入れるように。なお、側妃に先に子供が出来た場合でも、正妃の子供を世継ぎとする』
本来、側妃が先に子供を産むことは後々の禍根となりかねない。しかし、ラミロ国王には兄弟がいない。
王族を増やすことは彼の急務であった。
この約束事が両国の友好と繁栄の礎となるならば、とカルーニャ王国は王女を嫁がした。
ラミロ国王はエルビラ王女が十歳であろうとも、正妃として尊重することを約束したのである。
だからといって結婚前に側妃を持つのは外聞によろしくない。
エルビラ王女との婚礼式を終えてから側妃を持つことになった。
そして婚礼の儀を終えた後。
エルビラ王女はラミロ国王が用意した後宮で暮らし始めた。
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