せかいへいわだいさくせん!

ざくざくたぬき

第1話 たすけて!!

ん んー ……?



「ええええええええ?!?!」


俺。なんと異世界に輪廻転生してしまった?!

俺の体は?ぶ、無事…死んだはずだけど

ほんとに輪廻転生なんてあんのか…

とりあえず俺がどこにいるのか確認しよう。

あたりを見渡せば明らかに異世界とわかるような街並みだった。

空は真っ暗で、街が闇にのまれたみたいだ。近くの時計を確認してみると、8時を指している。きっと今は夜なんだろう。

街はまだ灯りがあり、レンガ造りの建物がズラリと並んでいる。まるで外国に来たみたいだ。


「輪廻転生サイコー!俺、もしかして魔法とか使えちゃったり…?ヘヘ」


オシャレな雰囲気に包まれて俺はルンルン気分だ。


「よーし!ファイア!」


魔法を出すふりをしてみたが、特に何も起きなかった。まあ、そうだよな。

とりあえず、今日はどこか泊めてもらおう。

ドンッ


「あ、すみませ…?」


こいつ、帽子が浮いて、顔がない!

テンションが上がっていて気づかなかったが、よく見るとこの街の奴らは、角が生えてたり、頭がコーヒーカップだったりと、普通じゃない人達が多い。

もしかしたら俺も?!

自分の顔を触ってみるが、特に変わったところはなさそうだ。

とりあえず一安心したが、やはりまだ不安で鏡が欲しくなってきた。

まぁどうせこんな世界なんだから俺の顔がおかしくても誰も気にしないか。そろそろ宿を探さないと。


その時、街の真ん中に立っているピンク髪の女の子を見つけた。

迷子か?

俺は近寄って話しかけることにした。


「こんにちは。君は迷子かな?」


少女は俺の袖を掴んで、


「たすけて!!!おにいちゃん!こっちきて!」


少女は必死に訴えかけている。

少女は片目に包帯がしてあって、全体にぽんぽん花が咲いている。

少し困ったが、助けになれば少女の家に一晩泊めてもらえるかもしれない。

俺は少女と一緒に街を歩いていった。





しばらく歩くと、森に連れてこられた。


「こっちこっち!」


少女はそのまま森に入ろうとしている。


「待って!もう暗いし、足元も危険じゃないかな?別の道から行けない?」


俺は少女を説得しようとしたが、


「だいじょうぶ!いいからはやくきてって!ていうか おにいちゃん、もり とくいなんじゃないの?」


森が、得意?何を言っているのか分からなかったが、離れるといけないので、少女の後を追うことにした。


「これこれ!これが、わたしたちのおうち。はやくはやく!」


少女に連れてこられたのは、とても立派な洋館だった。森の中に1軒佇んでいる姿は、とても不気味に思えた。

ほんとにこれに入らなきゃいけないのか?俺、もしかして今とんでもない事してる…?


「はーやーく!みんなまってるよ!」


みんな…?俺、食われる?幼女に?バカ言え。そんな事されるなら俺がお前ら犯してやる。

でも俺別に幼女に欲情しねぇんだよな…

あーあ、綺麗な大人のお姉さんがいいなぁ…


「ねぇ!はやくしてってば!」


気づいたら目の前にあの少女がいた。


「ごめんごめん。ボーっとしてて、行こっか」


そのまま俺は少女の手を握って、一緒に館に入っていった。

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