きみと過ごす夏の日

もち

第1話 ただいま

『北日本から九州にかけて気温が上昇すると見られ、各地で熱中症警戒アラートが発令する恐れがありますので、皆様熱中症対策には十分お気を付け下さい。さて、続いては──』


この時期はどこもかしこも夏の暑さで出歩けなくなる。窓から外を眺める。まだ朝で2桁代の時間帯にすらなっていないのに、太陽がほぼ真上だ。雲も少なくて青空が目立つ。庭の木々と空と降り注ぐ太陽の光でコントラストが綺麗だ。

眺めるだけなら好きなんだけどな。眺めるだけなら。


ピンポーン


インターホンが鳴る。

あぁ、そうか。もう帰って来る頃合だもんな。


食べ終わったアイスの棒をゴミ箱に捨て、玄関の扉を開ける。ムワッとした空気が一気に涼しい部屋に流れ込む。

扉を開けた先には、恋人が立っていた。




「ただいま!」

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