第3話 男の聖女
「「「「…………」」」」
犯行理由が凄くしょうもない!!?
ソフィアさんとブリギッテさんは呆れて天を仰いでるし、ニュンフェさんは口元を抑えて笑うのを堪えてる。
というか、僕が誘惑っ!? ペットに? するか、そんなのっ!!
「もう一度言うが、僕は正真正銘男だ。だから、下は付いてるし隠しもする」
「まぁ、当然よね……」
「というか、男子じゃったのか……ワタシもてっきり女子かと思ったぞ」
「でも、一緒に生活してて気付かなかったの?」
「気付かなかったよ。外出時以外は女服を着ていたから」
本当なのかと皆の疑いの視線が僕に集まる。
「毎日、家族が入り浸って女服を着せられてましたから(遠い目)」
これでも抵抗したんだよ。部屋で男服で生活しようものならタンスの中身を入れ替えられるから。もう、悟りの境地ですわ。
「でも、似合うなら良いじゃないかな?」
「似合うから余計に悲しいんです」
僕だって、男らしさに憧れは有るよ。でも、筋繊維からして問題有るのか、パワー有るし握力も人並み以上あるけど筋肉がつかないんです(´;ω;`)
「まぁ、そんな訳で今回の結婚は無かった事になりました。解散」
「「「「するか!!」」」」
さっさと終わらせて逃げようとする彼をブリギッテさんが捕まえた。
「えぇ〜っ、でも、記憶を消すし、ゲートを繋いで向こうに返せば問題は……」
彼はさぁーっと青ざめて汗までかき始めた。
「おい、正直に言え。何をやらかした」
「ステータスを……」
「うん?」
「ステータスを付与してしまいました!」
その発言にお姉さんたちの目が凄く冷めたものになる。
「まぁ、初期ステータスなら向こうに帰っても影響はーー」
「ジョブを聖女。パッシブスキルでふっ、不老が付きます」
「……ブリギッテ」
「了」
ブリギッテさんが速攻、巨大ハンマーを振り抜いた。
「「馬鹿なの!」」
「ぐはっ!?」
ホームラン! 見事な放物線を描き、彼は部屋の端へと追いやられました。
「ちょっと状態を確認させてもらうわね。上級管理者権限。ステータスオープン」
名前:上城 雅(カミシロ ミヤビ)
種族:人族(神度Lv.3)
性別:男性
職業:聖女Lv.1
体力:C
魔力:B
STR:C
DEX:C
VIT:E
AGI:B
INT:B
MND:A
LUK:SS
魔法:神聖魔法Lv.5、光魔法Lv.3
スキル:不老、鑑定Lv.3
加護:ウラノレーヴェの加護
称号:世界を渡りし者、創造神の寵愛を受けし者、永遠のショタ
わぁ〜お、魔法職寄りのステータス。数字じゃないから分かりやすいが一般から見て高いのか低いのかよく分からない。いや、Lv.1でこれなら十分高いわ。SSが最高だとすると仮定してスタートがこれだと伸び率がどうなるかだな。
「永遠のショタ……」
"ギュッ"
んっ?ニュンフェさんの締め付ける力が増した様な?
まぁ、それより許せない称号の話だ。他は分かるから良い。でも、永遠のショタとは何ぞや? 喧嘩売ってのか、おらっ!!
「……ウラノレーヴェ?」
「ウラノレーヴェはお父様の本当の名前よ。それにしても本当に男の子だったのね」
宇宙のライオン? 似た発音の言語から猫にしたとか? ちょっと向こうの神様に聞いてみたいかも。
"ズズズゥゥーー……ッ"
「聖女を付与したから神度が上がってやがる」
「Lv.3。上がり過ぎな気がしますが、加護の影響もあるでしょう。まぁ、付与したてなら回収も容易でしょう。それではステータスを回収しま……えっ?」
「どうした?」
「……やっぱりエラー。ジョブを回収出来ない」
「なんだと!?」
えっ、エラー。まさか、聖女で確定とか言うんじゃないよね!?
"ズズズゥゥーー……ッ"
ここはお茶を飲んで冷静になろう。あぁ、美味しい。
「おい、本当にあれだけだろうな! 他に何もしてないよな!応えろ!!」
「わっ、わ私にももなな何かがなんだかさっぱりりっ!だだだって、ふっ付与しかしてないもん」
前後にガクガク揺らされながらも心当たりがないのか、彼も困惑している。
「ちっ」
「おふっ……こっちで生活した訳でもないから何かしらの接点が無いと定着はしないはずだ。例えば、何か食べるとか飲むとかね」
食べとか飲むねぇ〜。黄泉竈食みたいな事か。
その意味するところは『あの世のものを食べると、この世に戻れなくなる』というものだ。例えば生きたままあの世に行けても、黄泉のものを食べればそのまま黄泉の国の住人にされるというーー
「ズズズゥゥーーッ!? いや、このお茶が原因でしょ!どう見たって!!」
「「「あっ」」」
さっきから普通に飲んでたけど、これってこの世界のお茶ですよね?!
「しまったわ。すっかり忘れてた。聖茶は少量とはいえ神気が宿るから身体を整えるのだけど、そのせいで付与されたばかりのステータスが定着してしまったのね」
「なるほどだから神度Lv.3か。高位聖職者が飲むと神度が上がるらしいからな」
「これは残念ながら直ぐに向こうへ戻せそうに無いわね」
"ギュギュッ"
おおん? やっぱり気のせいじゃない。さっきよりニュンフェさんの抱き締める力が増している。
「残念ながらこっちで生活して貰うか、もしくは「神度を上げて半神にでもなれば向こうへの短期滞在は可能ですよ」」
「えっ、そうなの?」
「はい、そうです」
ソフィアさんの話を遮る形で先程まで黙っていたニュンフェが凄くいい笑顔で話始めた。
「雅さん。私に直ぐに神度を上げる手段が有ります。私に全てを委ねませんか?」
「ニュンフェ。貴方まさか……」
「これぞ運命!大丈夫です。痛かったり苦しかったという事は有りません。むしろスッキリとした気分になるはずです!(ふんす)」
圧が凄いし、抱き締める力が更にました。
「そっ、それじゃあお願いしようかな?」
「言質ゲットォォォッ!」
「えっ? えっ? えっ?」
さっきまでのおしとやかさとは一変、彼女は俺を抱き締めたまま猛スピードで部屋を飛び出した。連れて来られたのは女の子らしい可愛い寝室。大きなベットに僕をポイッ。
"ガチャ"
後ろ手に鍵が閉められる。
「ニュンフェさん?」
「長年探した理想の相手……我が眷属たちでも見つけられ無かった奇跡産物。それがここに……」
部屋の鍵を掛け、ゆらゆらと亡霊の様にやって来て抱き締めるとズボンごとパンツに手を掛かけ"グイッ"と下げた。
「ちょっ!?」
「まぁ、なんという聖槍!なんという雄々しさ!全ての男らしさを凝縮したような圧!」
「そんなに言わないで!!」
男だもの……。部屋に連れて来られた時点で期待はしましたよ。しかもずっと抱き着かれていたので僕の主砲は限界なんです。
「しかもこの感じは初物だとっ!? 素晴らしい素晴らしいですぞ! じゅるり……それでは合法ショタ。いただきます!」
その日、僕は大人の階段を登った。
でも、本当に食べられたのはどっちだったのか、それは2人だけの秘密だ。
種族:人族 → 半神半人(神度Lv.6)
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