1LOVE 新任教師、柴田櫻子
俺は発狂した。「終わんなくてやんなるーッ。」
今は夕方の5時過ぎ、数学の問題集をやり始めてから2時間経つ。
今日はバイトが休みという神みたいな日だった。
しかし、3時から始めた問題集が終わらず2時間潰してしまった。
すると、「こんこん」ドアのノックされる音が聞こえてきた。え?だ、誰?ま、まさかおばけ?
俺はシャーペンを落とし、猛スピードでベッドの中に隠れる。
「はるちゃーんいるの?開けるよぉ。」「ガチャ」「あ、あれ?誰もいない?机の上になんかある。ん?」
ねぇねが見たのは2時間やって2ページしか進んでない数学の問題集。
「へぇ〜、数列かぁ。懐かしいな〜。」「えっとぉ、ねぇねが教えてあげよっかなぁ。でもいないみたいだし.....と見せかけて、ベッドのなかでしょ〜?!」
ガバッ。布団をめくられた。おばけじゃないのかい。ねぇねだったよ。びびった。「あほんだらの塾講師に教えられるのか?」俺は聞いてみる。
「これでも
対して俺の高校は
しかし、そこまで頭は悪くないと自分でも思ってはいる。「と、とにかくねぇねが教えてあげるから。ほらそこ座る。」ねぇねは椅子を指差す。
「い、いや。も、もう十分だから。あ、ありがと。ねぇね。」「ガチャン」部屋のドアが閉まる。「なによ。もぉ〜。」
次の日、新学期になった。
「ねぇ、どこのクラスになった?」「私はね...」
そんな会話が飛び交っている。ちなみに俺は12組になった。幸いなことに友達数名と一緒だった。
「おう、遥輝また一緒だな。これで中学から数えて5年連続だ!!」
声のでかいこいつは翔吾。中学1年生の時からクラスが一緒でいつもつるんでいる親友でもある。
恋花は俺の後ろの席で翔吾が俺の隣の席だった。
「はい。これから始業式と着任式です。あなた達の新しい担任も発表されます。しっかりと臨みましょう。」代わりの先生が言う。
何いってんだこのおばさん。普通に寝る時間だろ?始業式とかそういうのって。
時は進み、新担任紹介の時間になる。
「続いて、2年12組の担任の先生です。2年12組を担当するのは新任の柴田先生です。」
校長が柴田という先生を紹介した。
「今日から、皆さんのクラスの担任になりました。柴田櫻子です。担当する教科は地歴公民科です。よろしくおねがいします。」
こうして、2年12組での新しい高校生活が始まったのだ。
1日目は先生の自己紹介やら配布物の渡しなどで終わった。
俺が帰ろうと荷物を片付けていると、「遥輝、ちょっといいかな?」先生が声をかけてきた。
先生は早く顔と名前を覚えるために下の名前で呼んでもいいか俺達に聞き、下の名前で呼んでくるようになった。
「なんですか?」俺は先生の方を向いて話を聞いた。「私ってどう?先生としてやれてる?」
は?何聞いてんのこの人?よく分からん質問を吹っかけられたがきちんと答えることにした。
「うん。やれてると思うよ。」俺は間違ったことは言ってない。と思う。知らんけどさ。
「下まで一緒に行こうか。」「うん。」先生は学校の玄関までやってきて「じゃ、また明日ね。さようなら。」「うん。先生、バイバイ。」
おねえちゃんといっしょ 水無月美冬 @ae86gt-apex
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