現代魔法使いの(?)耳かき屋さん

雨竜三斗

トラック1:『現代魔法使いの耳かき屋さん』へようこそ【初来店、説明】

(時間場所:21時くらい。雑居ビルの一室、怪しい模様のパーテンション、色ついた液体の入ったビン、暗幕で窓を覆っている)

(位置:正面、中距離)


(SE:鈴の音、来店を知らせる鈴)

(SE:ドアの音、雑居ビルなので鉄製)


(少し驚いて)

あっ、いらっしゃいませ……。


(うれしそうにつぶやく)

やっとお客さんが来てくれたぁ……。


(弱々しい咳払い、気を取り直す)

こほん。


(怪しげな声、魔法使いらしく振る舞う演技)

ようこそ~。うちは『現代魔法使いの耳かき屋さん』だけど、

お客さんは耳かきされに来たってことでいい?


(はしゃいだ声で)

……いっひひひ♪

あたしの耳かきにハマっちゃっても知らないからねぇ。

とりあえず、お品書きをどうぞぉ。


(位置:正面、近く)

(5秒ほど息づかい、ちょっと不安げに『お客さん』を上目遣いで見る)


(はしゃいだ声で)

ご注文は、魔法刻印付き竹の耳かき棒で耳かき、

プラス梵天だねぇ?


(恐る恐るな声で)

……あ、いや、待ってください。

お客さん、メニューをサラッと見て決めたけど、

「『現代魔法』ってなに?」

とか聞かないの……でしょうか?

自分で言うのもなんですけど、

雑居ビルの一室で魔法使いとか名乗ってるあたしや

お店のことを変に思わないのですか?

魔法使いらしくえらそうな口ぶりをしてますし、

「何言ってるんだこいつ」くらい思ったりしない……です?


(きょとんとした声で)

ユニークな耳かき屋さんとしか思ってない……?


(はしゃいだ声で)

い、いっひひひ♪

お客さんって物好きなひとなんだねぇ。

「耳かきにハマってるだけ」なんて言い返しても、

あたしには物好きとしか思えないなぁ~。

細かい設定……じゃなくて

説明は耳かきしながらするよ。

さっそく部屋へご案内~。

ここからは靴を脱いでね。


(SE:ドアを開ける。古びた木の音)

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