1日目 母はコーヒーが飲みたい


 「…Arrête, je veux dormir enc⚪︎△◻︎※$《やめて、まだねむ⚪︎△◻︎※$》」

夜中に自分の寝言で目が覚めました。

フランス語で寝言を言っている自分に驚きました。


 私の1日は、いつも決まって義母が目覚めたのを確認してからコーヒーマシンのスイッチを入れ、美味しいカプチーノを飲むことから始まります。

時々、下の子の授乳で明け方に起きますが、それ以外は大体6時に起きます。

いつも6時前後に起きて寝起きの一杯(ミルク)を飲む次女を連れてキッチンへ行きます。

 「ボンジュール、カエデ。」

 「ボンジュール、ママ。」

私は義母の事を〝ママ〟と呼びます。義母にそう呼んで欲しいと言われたからです。一般的に、欧米では結婚したら義家族のことを名前で呼びます。例えば、夫の母がマリーなら、「ボンジュール、マリー。」みたいに。Ms.やMrs.、マダムなどの敬称はつけません。


 コーヒーを飲み終えると、長女が起きます。

そう、コーヒーを飲み終えるまでが私のリラックスターイム…

 「ママァア!!!」

寝室から長女の悲鳴が…あれ…まだ半分しかコーヒー飲んでないぞ?

 「マァマァ〜〜!!!」

ソファから立つ間もなくドタドタと全速力で走って来る長女。

そして、私の膝に飛び乗り、しがみつく長女。

 「何!?どうしたの!」

 「虫! 虫!」

 「何?どこ?」

 「ベッドに虫いたあぁぁ!!!」

絶叫しながら大泣きする長女。

いました、ベッドの淵に虫。

ちっちゃいダンゴムシの死骸です。テッシュに包んで捨てました。

さて、ひと段落。

コーヒーの続きでも…

 「ふぎゃー!」

あ、長女の悲鳴のせいで次女が…

夫は…寝てる。この騒ぎの中…いびきをかいて気持ちよさそうに寝てる…

 「はいはい、次女ちゃん…」

コーヒー冷めちゃったな。


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