Bonjour, Hi !

プロローグ

　ーI still love you.

そんな言葉に感動したのはいつの事か…。

　カナダ人の彼に出会った頃はてっきり英語を話すもんだと思ってましたので、必死こいて中学の英語の教科書引っ張り出して英語の勉強をしましたよ。だって、カナダ人ですから。

「俺のHoodieはどこ？」

なんて、彼もルー大柴並みに覚えたての日本語と英語を混ぜて会話してましたし。

　でも、必死こいて英語勉強したって無駄だったんです。

ある日、彼はうら若き乙女だった私にこう言いました。

「カエデ、俺の母語、フランス語なんだけど…」

　　フフフフ…フランス語だってぇぇ！？

　　あのボンジュー、サバ？セビヤーンの発音が意味不明な！？？

　　じゃあ、必死こいて勉強した英語は！？無駄だったってわけ！？

私は正直心が折れそうでした。

「はい、A・B・C（アー・ベー・セー）、言って！」

「ア…あー、ベー、しー…」

「ノン！〝シー〟じゃない！〝セー〟！」

「アー・ベー・セー…」

　　これ、大丈夫なのか…？