最終話 勝利の静岡

 最終話 勝利の静岡


「綺麗だね……」

「駿河湾だ!……」

「寂しいね……」

「なんだかね……」

「うん……、」

 テツは石を投げた。ぼちゃんと音を立てて、石は海底に沈んだ。テツはアトランティスに思いを馳せた。

 去り行くアラバキを見ながら、船で運ばれる自分たちを思い返す。

「悪くない思い出だったよ……」

 テツは呟いた。トントン、と肩を叩かれる。振り返ると、そこにはこりどう——

 テツは驚いた。あくまで旅は空想のはずだったのに。

「こんにちは、沼津平成さん!」

 こりどうはあの日の笑顔を見せた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る