第3話 はじめてのハイスクール

 「まぶしいまぶしいえがおが

 ぼくにふりそそぐなら

 ぼくも満面のえみを

 かえしてあげよう。」

 なんて

 呑気なことはいってられないな

 ぼくは

 ポーチの中の

 くしゃくしゃにおりたたまれた

 手紙をみて

 しずかに

 しずかに

 目をとじた……


 聞こえてくるのは自然の音より

 社会の音

 人と人の話す声

 近所同士の井戸端会議

 どうでもいいような 世間話

 戯れたいサラリーマンも

 ぼくの隣で夢を見てる


——先輩! はやく! 試合ですよ

——リョーゴ! あーっくそ! 決められた


 ぼくは目を覚ます

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詩集 きみとぼくの二人語り 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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