第26話 (元気に挨拶アンサー) 人形舞踊ーマリオネットダンス―


踊って

静寂とはおよそ無縁な

薄汚れた月明りの下で…



ガラス越しの甘い視線を浴びて

さあ今日も刹那な時を楽しもう

僕の出したゴミから手に入れた小物が

君の場所と吐息を教えてくれる


ラッシュの中、背中に愛を感じてる

それは君の冷たく熱い心の叫び

思わず振り向きその細い首筋に

僕の印を刻みたくなる衝動


僕は君であり君は僕なのさ

初めて会った時に確信したよ

君が僕を愛しむくらいに

僕は君の全てが欲しい


踊って

まやかしの自由を与えられた

箱庭のような世界で

踊って

静寂とはおよそ無縁な

薄汚れた月明りの下で…




君が決めた距離を侵さぬようにしても

夕暮れの影が存在を明かす

好みの料理はもう知っているはずだし

いずれ来たる日を楽しみにしているよ


まとわりついてる子猫が部屋に

上がり込んで来た時の君の驚きが

インカムを通して激しく伝わる

外からのレンズ反射が小刻みに揺れる


ワンコインで手に入る武器を握りしめ

子猫の後を追っていく姿

それこそが僕が望んだ世界

マンホールが鈍く動く音が…


踊れ

都合よく改変された

偽りだらけの舞台で

踊れ

静寂とはおよそ無縁な

薄汚れた月明りの下で…



明日の帰りを君のベットで待ってよう

驚いた君に覆いかぶさろう

だって僕は君の物

君は僕の物

首筋に印を、印を印を印を印を











クビスジニシルシヲ…










踊ろう

下品なネオンに汚された

作られた場面の中で

踊ろう

静寂とはおよそ無縁な

薄汚れた月明りの下で…

赤黒い月明かりの下で…

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