放課後

 オレが美桜梨ちゃんにしてあげられること…

 

 

 それはなんだろう…。

 

 

 …

 

 

 とりあえず話しかけるのみ‼︎

 

 

 でもさ、あんまり休み時間とかに話しかけると、なんか…なんか注目されてしまってあれなので、とあることを決行いたした。

 

 

 それは…

 

 

 

 放課後だ。

 

 

「美桜梨ちゃん!」

 

 

 オレは学校を少し出たところで美桜梨ちゃんを待った。

 

 尾行じゃないよ?

 

 まだ、だって…そんなに学校から離れてないし。

 

 変態でもないからね?

 

 

 でもさ、オレが突如現れたから美桜梨ちゃんは、びっくりしていた。

 

 

 そして…

 

 一瞬びびった後にオレを冷たく睨んでスルーしてスタスタと行ってしまった。

 

 

 …

 

 

 

 おわた…

 

 びっくりさせて怒らせてしまったかな…?

 

 …

 

 イヤイヤ、今日はたまたま耳が聞こえなかっただけですよ。

 

 

 オレが声小さかったんだよ。

 

 きっと…

 

 

 てなわけで、次の日もリベンジ!

 

 

 やっぱり同じ場所で待っていたんよ。

 

 そして、

「美桜梨ちゃん!」

 って呼んだんよね。

 

 そしたらやっぱりスルーされてしまいました。

 

 

 あらら?

 

 おかしいですね…?

 

 オレは美桜梨ちゃんには、見えていないのでしょうか?

 

 

 …

 

 

 うーん…

 

 困りました。

 

 

 あ、いいこと思いついた。

 

 きっと美桜梨ちゃんは、ちゃん付けがイヤなんよ。

 

 

 だからオレはまた次の日、いい作戦を決行した。

 

 

「やあ、美桜梨。待ってたよ。さぁ行こうじゃないか」

 と、別のキャラになりきった。

 

 

 すると美桜梨ちゃんが何かいいたげだったけど、口をムッとツボませやっぱり行ってしまった。

 

 

 …

 

 

 三日連続敗退です。

 

 

 次の日、休み時間にサッカー部の先輩がやってきた。

 

 

 そして…オレに、

「今日こそ部活遅刻すんなよー。」

 と言ってきた。

 

 

 !

 

 先輩‼︎

 

 

 美桜梨ちゃんに聞こえるじゃないかっ‼︎

 

 オレは慌てて廊下に出て先輩に、

「先輩‼︎オレ、今…一大事で…だから…あの、しばらく…オレ…部活には行けないかもしれません。でも、必ず時がきたらまた頑張ります‼︎」

 と気合を入れた。

 

 

 すると先輩は、

 

「補習頑張れよ」

 と呆れ笑いして行ってしまった。

 

 補習…ではない‼︎

 

 

 まぁ、そういうことにしておきましょうかね。

 

 

 なので本日、四日目のチャレンジです‼︎

 

 と思ったけど…

 

 美桜梨ちゃんがいない‼︎

 

 オレより先に帰っちゃった⁉︎

 

 もしかして…まかれた⁉︎

 

 

 …

 

 

 まぁ、でもね?

 トイレとか職員室とかね?

 

 うんうん。

 

 きっとそうだわよってわけでまたあの場所へ向かうと…

 

 …

 

 

 

「部活は、行って‼︎」

 といきなり誰かに怒られました。

 

 えっ⁉︎

 

 どちら様⁉︎とみると…なんといつものオレの定位置に美桜梨ちゃんが立っていた。

 

 

「え、美桜梨ちゃん‼︎」

 と、オレが飼い主が帰ってきたときなみに犬みたいに喜ぶと美桜梨ちゃんは、やっぱりオレを冷たく睨んで行ってしまいました。

 

 

 美桜梨ちゃん…

 

 

 仕方なく部活に行きましょうと、トボトボ来た道を戻っていたらいきなり、

 

「明日、そこの公園に一時ね。これないならいいけど」

 

 と、美桜梨ちゃんがオレに…まさかのオレに話しかけてくれた。

 

「ぜってー行くに決まってる‼︎」

 

 オレは速攻で返事をした。

 

 

 すると美桜梨ちゃんは、一瞬少し笑ったように見えた。

 

 

 まぁ、正面向く途中だったからあんまり見えなかったけど…。

 

 

 でもさ、でも、でもでもですよ‼︎

 

 一時に公園ってどうなのよ⁉︎

 

 オレたち付き合ってた⁉︎

 

 デート⁉︎

 

 これってデートの待ち合わせかい⁇

 

 と、オレはルンルンでスキップしながら部活に行くのでありました。

 

 

 あ、明日雨でもその予定って決行するのかな?

 

 

 おやつ必要か?

 

 …

 

 レジャーシートいるかな⁇

 

 

 ⁇

 

 

 浮かれすぎてオレはバカになるのでありました。

 

 

 続く。

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