練習問題1 文はうきうきと:問2

「これから起こる出来事を教えてやろう。わが兄弟。わが同胞はらからよ。


 夜半、お前は河へ行く。細かな砂利を踏みしめて水の中へ入っていく。流れは穏やかだ。お前が心配するようなことは何も起こらない。


 そうして中州へ達すると、お前は草の萌え出る小高い地へと上がる。


 するとそこに『あれ』が居る。お前は手にしたナイフを使って解体する。


 解体するのだ。たとえそれが何に見えたとしても。


 お前は完遂する。

 ことの興りから噛み締めたままの奥歯から、とうとうギグリと嫌な音がする。


 お前は血混じりの白い破片を吐き出すと、わき目もふらずに歩き去る」


 揺蕩うような声音がふと途切れ、魔術医はこちらの顔を覗き込んできた。

 墨と朱泥を塗りたくった顔面にあって、瞳ばかりが異常に澄んでいる。


「お前が真実、罪をあがないたいのなら、それは実行される」

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