デジャブ

天川裕司

デジャブ

タイトル:デジャブ


カケル「あ、なんかこの光景、前に見たことあるかも?」

幸子「え?なにそれ?」


カケル「いやなんかよくわかんないんだけどさぁ、なんか見たことあるような流れなんだねぇ、コレ」

幸子「え?デジャブってこと?」

カケル「んーなんかよくわかんないんだけどさ」


私の彼・カケルは最近よくこんなことを言う。

遊園地に行って観覧車の順番待ちをしていた時、

いきなりこんなことを言ってきて

「よくわかんないんだけど」と言いながらも、

自分は前にこの光景を見た…と

そのデジャブ感をはっきり伝えてきた。


カケル「確かこのあと、横入りしてきた奴がいてお前怒ってなかったっけ?」

幸子「えぇ?w」


していると私のすぐ前で見知らぬ女が割り込んできて、

「ちょっとどいてよ」なんて私を図々しく押してきた。

幸子「ちょ、ちょっと何よあんた!横入りしないでくれる!?…え?」

前の人の事はどうでもよくなり、

私は今さっき言ったカケルの言葉が気になった。


幸子「…え、これって…」

カケルはなんだかよくわからないと言った表情で

澄まして前を見ていた。


その翌日。

いつものように遊んだ後で私はカケルのアパートに泊まり、

2人の時間をまったり過ごしたあと翌朝を迎え、

淹れ立てのコーヒーを飲んでゆっくりしていた。幸せな時間。


カケル「おはよ〜、起きてたんだ」

幸子「うん。おはよ」

なんでもその時またカケルが、

「…あれ?これも又なんか前に見た気がする…」

みたいなことを言い出して、前と同じ、

デジャブ感を私に伝えてきた。


幸子「えぇ?またぁ?w」

でも昨日のこともあり、

私はこのカケルのデジャブ感をなんか無視できず、

ちょっと集中して話を聞いた。


カケル「えーと…確かこのあとお前が、そこのクローゼット開けるんじゃなかったっけ?」

幸子「え?そのクローゼット?」

カケル「うん…よくわかんないけど」


すると私の携帯が鳴り、

ヤスエ「あ、幸子?前言ってたDVD今持ってる?今日見ようと思ってさ♪」


幸子「あ、持ってる持ってる♪ちょっと待ってね」

と私はずっと前にカケルの家に来た時、

そこのクローゼットの中にそのDVDを

ちゃんとしまっておいたのを思い出した。


そして開けてDVDを取り出し、

幸子「今日会える?そん時に渡すけど?」

とヤスエに。


喋ってる間にカケルがまた何か言ってた。

でも今電話中だからちゃんと聞かなかった。


カケル「…で確かそのあとお前、DVDクローゼットから出してカバンに入れるんだけど、それヤスエには渡せなかったんだよなぁ確か」


幸子「はいはい♪じゃあね〜♪」


電話を切った後カケルに「ん?何か言った?」と私は聞いた。

カケル「思い出した。お前さ、ベッドの下覗いてみてよ?多分びっくりすると思うから♪」


幸子「え?なになに?サプライズプレゼント?」

よくわからなかったけど、

カケルがあんまり嬉しそうにそう言うもんだから

もしかしてプレゼント?なんて思ってしまい、

私はベッドの下を覗いてみた。


幸子「…え?」

ベッドの下には目をパッチリ開いた私が居た。


(暗室のようなカケルの部屋で)


私は昏睡に陥り、隣の部屋のもう1つの

カケルのベッドの上に寝かされてたみたい。

この世を離れるのも、もう時間の問題なんだろう。

これまでのエピソードは私が見た夢。

カケルと激しく喧嘩したの思い出しちゃった。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=cHkt7SXZSqk

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デジャブ 天川裕司 @tenkawayuji

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