貞操逆転世界のサークルクラッシャー~俺を攻略しようと貢ぎながら病んでいくオタク美少女達の全てを支配します~
救舟希望
第1話 サークルクラッシャーに人生を破壊された俺、貞操逆転世界でサークルクラッシャーになる
元居た現実の日本では、俺、
俺が大学を中退して借金まみれになった原因。
それは、俺が趣味だったライトノベル執筆という活動で交流を広げようと、ライトノベル研究会という文化系のサークルに入ったことに端を発する。
このサークルは、いわゆる典型的なオタサーで、メンバーはむさくるしい男ばかり、いわゆるキモオタに分類される奴も多い、あまり女子が近づきそうにはないサークルだった。
だが、俺と同時期にそんなサークルに入った、一人の少女がいた。
少女の名前は
煌めくような二重の可愛らしいツリ目に、生意気そうにぷっくり膨れた小さな桃色の唇、さらさらとした長い黒髪をツインテールにしたあざとい髪型をした、凄まじいまでの美少女だった。
日鳴はスタイルも抜群に良く、近くに来られると無性に女の子の良い香りが漂うのと合わさって、サークル中の全ての男が一斉に日鳴に恋し、欲情していたのがありありと分かる雰囲気があった。
すぐにサークルの人間関係は日鳴を中心に回るようになり、日鳴はサークルの太陽であり女王であり女神であるように扱われた。
不幸にもそんな日鳴にアプローチしようとしている男たちの一人となっていた俺は、ある日、日鳴に休日二人で一緒に買い物に行きたいと誘われる。
俺は日鳴ほどの美少女に普通のオタク大学生の俺が買い物に誘われるその意味が分からないほど子供ではなかった。
日鳴は、要は俺にプレゼントなんかをしてもらおうとしているのではないか。
いわば、体のいい金づる。
そうでもないと、日鳴が俺なんかを誘う理由が見つからない。
そう思いながらも、日鳴とデートできるというだけで胸が高鳴り、その後のエッチな展開なんかも期待しまくってしまっていた俺は、その誘惑を跳ねのける事は出来なかった。
結論からいうと、俺は日鳴にその日5万円もする財布をプレゼントさせられてしまったが、それを代償にして、休憩したーいと突然言い出した日鳴のきまぐれもあり、日鳴とラブホテルに行く事が出来た。
だが、そこで行われたのは、俺の期待していた愛に溢れたらぶらぶエッチなんかでは間違っても無かった。
そこで本性を現した日鳴は、徹底的に俺の尊厳を破壊するような言動をして俺を散々馬鹿にした後で、土下座してくれたらエッチしてもいいよ、なんて言って俺に裸で土下座させ、そんな俺をその足技で徹底的に弄び、焦らして焦らして誘惑しまくって、俺が性欲で煮詰まって頭がおかしくなったところで、こう言い放った。
「今日からキミは、射精一回につきわたしに10万円を貢ぐんだよ? きみのえっちなところは、貞操帯に入れて管理する。嫌だったら、もう一生キミとは口も利かない。でも、言う事を聞くなら、わたしがちゃんとキミを愛していっぱい気持ちよくしてあげちゃう、可愛い彼女になってあげる。どうする?」
頭がおかしくなっていた俺は、彼女の要求をすべて呑んだ。吞んでしまった。
その日から、俺は彼女の奴隷として、彼女の言う事を全て聞いた。
射精に必要な10万円以外にも、何かあるたびに呼び出されては金銭を奪われ、尊厳を奪われ、散々弄ばれて、それでもなお、俺は彼女が好きで好きでしょうがなかった。
彼女は金を払った後は、男を興奮させすぎて頭をおかしくするような独特の話術と行動で、俺を夢中にさせた。
金を払えば気持ちよくなれる、金があれば彼女が愛してくれる、という法則は俺の魂にまで刻み込まれ、俺は彼女に貢ぐために、大学にもろくに行かないままハードなバイトを入れ続けた。
それでも次第にエスカレートする彼女の要求を前に、俺はついに借金をしてしまう。
堕ちるところまで堕ちた俺は、大学を中退するくらいになって彼女にあっさり捨てられ、残された膨大な借金を返す事もできない、全てに絶望したニートとなった。
後から知ったのだが、彼女はそのサークル内に、俺のような奴隷をたくさん抱えていた。
サークルの人間関係は彼女の魔性を前に崩壊し、男たちはみな互いを憎み合いながら彼女に貢ぎ続ける哀れな奴隷となっていた。
そう、彼女はいわゆる、サークルクラッシャーという奴だった。
それもその中でもタチの悪い、男を騙し、男に貢がせ、男を支配する事で悦びを得るタイプの、最悪の悪女だったのだ。
そんなサークルクラッシャーに人生を終わらせられた俺は、その日、自殺をしようとビルの屋上に登った。
ああ、ここから飛び降りれば、俺の人生も終わりか。
考えてみれば、バカみたいな人生だったな。
そんな事を考えながら屋上の縁に立って下の道路を見つめていると、強い風が吹いた。
その風に押し流されるようにして宙に身を投げ出された俺の身体は、すぐさま加速していき地面に衝突し、トマトのように血まみれになるかと思われたが――
次の瞬間、光に包まれた俺の身体は、何事もなかったかのように地面に立っていた。
「え……?」
何が起こった?
ここはどこだ?
場所には見覚えがある。
俺が通っていた大学の門の前だ。
あたりにはたくさんの女子学生と少数の男子学生が、大学の門をくぐっている。
だがおかしい。
俺の大学は典型的な理系の大学であり、女子の割合は1割か2割程度で、こんなにたくさんの女子はいなかったはずだ。
何も分からないまま、おろおろと歩き出したところで、近くに水たまりがあり、そこに俺の顔が映る。
俺の顔は、大学入学時ごろまで、綺麗に若返っているような顔をしていた。
「ええ……?」
これはいったいどういう事なんだろう。
俺は、何か不思議な力で、若返り、大学入学時にまで時間を遡りでもしたのだろうか?
ポケットに入っていたスマートフォンに気づき、俺はトップページのニュースサイトをまず見る事になる。
そこに書かれていたのは、
『痴女で捕まった元芸能人の○○××容疑者、エロい恰好をしている男が悪いと供述』
などといった見出し記事に、
『モテる女になって男とセックスするための禁断の心理テクニック』
なる広告。
他の記事もどこか現実のものとしては違和感のある記事内容だらけで、俺はそこに至って、ある仮説が脳裏に浮かんだ。
多すぎる女子、女が男を性欲の対象にしているような記事や広告の数々。
そこから導き出されるのは――
――「ここは、いわゆる貞操逆転世界なのでは?」という推理だった。
俺もライトノベル研究会に入るようなオタクの一員であり、そのようなジャンルの物語が各所に存在している事は理解していた。
この世界は、まさに貞操逆転世界そのものなのでは?
そう気づいた俺は、その後もウェブページを漁ってその仮説を確かめていく。
と、そこで道に突っ立ってスマホを弄っている俺のお尻を、さわっと触ってそのまま歩きさっていく女が突然現れた。
それを見咎めた別の女が、「ち、痴女よ! あなた、今とんでもないことしたね!」と女を取り押さえ、さらに一緒にいた別の女が警察に通報し始める。
「え、え、え……」
怖くなった俺は、その場から走って逃げ去り、大学の構内に逃げ込んでしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ……怖かった……なんだ今の……」
俺は、この段に至っては、認めるしかないと思った。
この世界は、貞操逆転世界だ。
漁ったウェブページによれば、男たちは蝶よ花よと育てられた「おぼっちゃま」が人気があったり、女性向けエロサイトが巨額のビジネスに発展していたり、男性は女性より一歩引いて女性を立てるのを美しいとする昭和の文化があったり、今は男女同権化が進んでいるが、未だに男性差別や男性へのセクハラなどが社会問題として残っていたりと、本当に現実の日本の男女の問題を逆転させたような現象がたくさん起こっている世界のようである。
いま通っている大学のような理系の大学は女性に人気があり、男性は外国語大学なんかで華の大学生活を送るのが人気があったりするらしい。
女性たちの中にはオタク女とかキモオタ女とか呼ばれるようなモテない女性たちがいて、そうした女性たちは、満たされない性欲をGANZAなどのアダルトサイトで日々自慰をして満たすような、弱者女性などと呼ばれる存在となっている、なんて話もあった。
そこまで理解したところで、俺は今いる大学の構内では、サークル勧誘が行われているらしいと気付いた。
と、そこで一つのブースが目に留まる。
現実の基準でいえば美少女といっていい少女たちが、なんだか地味なムサい恰好をして、可愛らしい美少年の描かれた表紙の本を並べて、「ライトノベル研究会」とのぼりを出してサークル勧誘を行っている。
そこで一応財布を見ると、そこにはこの大学の学生証が入っていた。おそらく今は、この大学に入学したて、という段階まで時間を遡ってもいるのだろう。住所も書いてあったので、自宅に帰れないという事はなさそうだ。
そんな事を考えながら「ライトノベル研究会」のところをじっと見つめていると、何やら美少女たちは挙動不審になり、俺の方を見ながら噂しているような雰囲気を作る。
そこまで行くと、貞操逆転世界というものをある程度理解していた俺は、察する所があった。
これはあれだ。
前世でいえば、男だらけのオタサーをじっと見つめている可愛い女の子がいて、その子について噂をしている、的なシチュエーションだ。
どうやらあの美少女たちは、俺の事を魅力的な男だと感じ、ドキドキとしてしまっているらしい。
そこまで考えた俺は、そこである暗い願望を強く感じる事になった。
「もしかして、今俺があのサークルに入ったら、前世で日鳴がやっていたような、サークルクラッシャーのムーブができるのでは?」
日鳴というサークルクラッシャーに人生を終わらされた俺は、日鳴のような魅力的な美少女に対して、暗く歪んだ憎しみと性欲の入り混じった、どうしようもない感情を強く感じていた。
この世界なら、そんな美少女たちを思うがままに弄び、俺のこの暗く歪んだ願望を、満たす事ができるのではないか――
そんな事を考えた俺は、そのサークルが勧誘を行っているブースに近づき、こういった。
「あの……ライトノベル研究会に、興味があるのですが……」
美少女たちは露骨に動揺しており、テンションが浮き上がって興奮しているのが感じられた。
「び、び、び、美少年キター!」
「馬鹿、聞こえる声でそんな事を男子に言わないで! 引かれちゃうでしょ!」
「あ、あの、キミ、ライトノベルとかは好きだったりするのかな?」
動揺する少女たちに、俺は満面の笑みで、こう答える。
「はい、好きですよー」
ぽ、と俺の笑みに恋をして頬を赤らめるような仕草を、美少女達は一斉に見せた。
そんな様子を見て取った俺は、「これはちょろいぞ……」と心の中でほくそ笑む。
いいだろう。
一度は終わった人生、好きに楽しませてもらう。
俺はこの美少女達の「ライトノベル研究会」を破壊する、最悪のサークルクラッシャーになって、女だらけのオタサーで暮らすオタク美少女たちを、地獄へと突き落とす――!
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