余命1ヶ月の君に恋をした余命1ヶ月の僕

夜歌

第1話

「余命1ヶ月です」

僕の目の前に座る海龍(かいりゅう)先生が宣告する。

僕は桜凪高校2年のレノ。

数ヶ月前から頭痛がしていたがテスト期間と部活の大会で放置していた。

そして昨日頭痛が耐えられなくなり、今日病院に来た。

そして余命宣告を受けてしまう。

脳腫瘍で全身に転移してしまっていた。

「そう…ですか」と言うレノ。

「ここでレノさんには2つの選択肢があります。

1つ目、病院で少しでも長く生きるために延命する。

2つ目、家で家族と過ごす。

どちらにしますか?」と聞く海龍先生。

「家で家族と過ごしたいです」と迷いなく答えるレノ。

「わかりました。」と言う海龍先生。


海龍先生の説明と話が終わり診察室を出る。

そして、その瞬間女の子とぶつかってしまう。

「すみません、ボーとしてました!」と言いながらぶつかった拍子に倒れた女の子を起こしながら言う。

「いえ、こちらこそ。すみません…ってレノくん?」と言う女の子。

よく顔を見るとクラスメイトのユノだった。

「えーと…たしか名前がユノちゃんだったよね?」と言うレノ。

「そうだよ〜」と言うユノ。

「どうしたの?どっか悪いの?」と聞くユノ。

「あぁ…まぁな」と元気なく言うレノにユノは不思議そうな顔をする。

「どうしたの?なんかよくない結果だったの?」と聞くユノ。

「あぁ…余命宣告うけてしまって」と言うレノにユノは驚きを隠せない様子。

(なんで仲良くもないクラスメイトに話しちゃったんだろ)と思うレノ。

「私も今さっき余命宣告受けたの」と言うユノは苦しそうだった。

「そっか…お互い大変だな」と言うレノ。

「レノくんは明日学校行くの?」と聞くユノ。

「行く予定だよ」と答えるレノにユノは「じゃぁ、明日学校で会おうね!」と明るく言うユノ。

「わかった」と言うレノ。


そして家に帰りレノはベットに横になって漫画を読む。

「レノ?帰ってるの?」と聞くお母さんにレノは「うん」と答える。

「帰ってるなら1言なにか言ってちょうだい」と言うお母さん。

「ごめんごめん」と言うレノ。

「病院行ってきたんでしょ?どうだったの?」と聞くお母さんにレノは少し迷って「片頭痛だって」と答える。

「そう。重い病気じゃなくてよかったわ」と言うお母さんは安心した表情をしている。


そして、お母さんが部屋をあとにして夜ご飯の準備をはじめたときにレノは

(嘘…ついちゃった。けど本当のこと言って悲しませたくないし今のままの生活がいいから言わなくてよかったかも)と思うレノ。

病院から処方された痛み止めを飲み、少し横になるレノ。

「これからどうしようか」と考えるレノ。


考えていたらいつの間にか夜になっていたらしい。

部屋は真っ暗になっていた。

「レノ、ご飯よ」と言うお母さんの声で考えをやめるレノ。

「わかった。すぐ行く」と答え立ち上がる。

そして、部屋を出て食卓に行く。

「お、レノただいま」と言うレノのお父さん。

「おかえり。父さん」と言うレノ。

「今日はレノの好きな唐揚げよ」と言うお母さん。

「わぁ!ありがと!母さん」と喜ぶレノ。

そして、家族でご飯を食べ、談笑してからお風呂に入ってレノは自分の部屋に戻る。


「明日の学校の準備しなきゃ」と言い準備を始めるレノ。

(部活…やめるか)と思いレノは退部届を書くことにする。


一身上の都合により部活をやめます


(こんな感じでいいか)と思い学校のカバンにいれる。

そしてベットに横になり眠る。

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