15話:繋がれたバトンを…

金川の配信がしっかりと終了し、俺が配信を開始する時間の10分前まで迫った。


「すぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


マリアナ海溝より深いであろうため息を吐いた俺は防音室の壁に向けて


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ」


発狂した


「(エッグい!緊張が!オリ曲で声は公開したけど!!それでも17万の人に声を公開するの無理!!)」


もともとボーカロイドによる作曲をしていたため、オリジナル曲のときも自分の声を録音することに心拍数バク上がりして鼻血ぶっ放すんじゃないかってぐらい緊張してた。


待機中のコメントを見ると


:あのMT,nonの話し声が聞ける!!!

:MT,nonって誰よ

:あの有名ボカロpがVtuberとかまじかよ‼

:期待値バク上がりnow

:痴話喧嘩すんなお☆

:上のコメントきも


結構賑わってた。


「やべぇ。コメントみなきゃよかった。余計緊張してきた」


______________________________________

MT,nonのファンの人Side:


「とうとうのんたん(MT,non)のお声が聞ける!!」


私は現在登録者17万人のボカロpさんで、今日からVtuberとしてデビューする月見良の大ファンだ。

まじで登録者が300人のときから追っている超古参(自称)である。


「あと二分で始まるのか!!」


もう心拍数がバクバク上がっていてもう体中の穴という穴から血が吹き出そうなほど興奮していた。


「(やばい!!超興奮する!!あの神と思え仕方のお声が聞けるとなると今世紀最大の幸福なのかもしれない!!!)」


そう心のなかで発狂していると画面が待機画面から配信画面に映るのが見えた。


「!!!!」


『あー、あー、聞こえてるかな?みんなはじめまして。月見良です。よろしくね』


神の声がイヤホン越しに私の脳内に響いた。


______________________________________

:月見里拓矢Side:


「月見良です。よろしくね」


挨拶をするとコメント欄がさっきの数倍のスピードで動いた。

かろうじて読めたのは

:神

:この人があの曲の作曲者・・・!

:声好きすぎ

:イケボやわぁ

:すきすきすきすきすきすきすきすきすき


など

ちょっと心配


「今日からvtuberとして活動させてもらいます。じゃあ自己紹介をします。」


「僕はもともとボカロpとして活動していて◯△◇とか、○○○とかを出しています。チャンネルはまだ残してるので聞いてみてください。他にも〜〜〜〜」


と、ダラダラと自分のネットの過去を紹介していった。


「〜でさ?その時に」


と次の話題に入ろうとした時


:20万人おめでとうございます

:20万おめでとう!!

:登録者20万人おめでと!


「20万人・・・?まじ?」


自分のチャンネルをスマホで見てみると


【チャンネル登録者数 24.7万人】


と書いてあった。

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