9:反響と仲間
「エッグ…」
あの5つの投稿から約10時間後、俺はスマホを見て困惑していた。
だって考えてみろ!起きて自分のSNS見たら37K(3万7000)の反響があったんよ?
困惑するだろ!!
んで、何が一番困惑したかってのはその他四人のことだった。
鈴燈はオリジナルラップで
春野さんが演奏?かな
山中さんがパテシェの大会の再現・・・?何してんの?
で金川が一枚絵?を描いて…と
俺いるか?これ
この四人で十分キャラ濃いぞ?
とまぁ自信がしっかりとなくなったところで初配信が目前に迫ってまいりました〜
88888888
正直に言うとめちゃくちゃ緊張してる。
例えると高校の卒業式で好きな子に告白した時ぐらいだと思う(何いってんの?)
配信の順番は
の順と
大トリです。
プレッシャーエグいです。
長嶺(マネージャー)は恨みます。
それは置いといて、あと10分で鈴燈くんの配信だからそれを見ながら準備しますか
_____________________________________
:鈴燈Side:
「あ〜緊張してきたわ」
あと3分後には俺の初配信が始まる。
半年前の俺には想像できへんやろなぁ。
半年前の俺は高校卒業してから大学にも入らず、バイトして、喧嘩して、引きこもってみたいな時間を無駄にしてるだけの生活をしていた。
そんな俺にも弟がいた。
弟は今中学生で青春真っ最中だ。
俺は実家から出て一人暮らしをしているがたまに弟が「勉強教えてー」と家に来る事がある。
そんな弟がある日スマホの画面を眺めて「ムフッ」と気持ち悪い笑い声を上げていた。
「・・・おまえ何見てんの?その笑い方キモいよ?」
「はぁ?黙れよ引きこもりヤンキー」
「もう勉強教えなくていいって?分かった分かった、頑張って学年一位取れよ」
「まって!ごめんごめんごめん!」
いつものように会話のプロレスをしたあと本題に入る。
「で、お前何見てんの?」
「Vtuber」
「・・・男性の?」
「女性」
「・・・・」
「なんだよ兄ちゃん」
「いや・・・」
「?」
「彼女、できるといいな」
「うるせー万年彼女なし」
「今日の晩飯なし、、と」
「ごめんって」
Vtuberか・・・
おもろいんかな
と思って色々調べた。
結果は沼った
ズブズブにハマった!!
その勢いでオーディション申し込むぐらいにはハマったわ!!
しかも受かって、今に至るんだよなぁ
「まじで信じられんわ」
信じても信じなくてもあと一分
俺は椅子に座り直してマウスを握った。
カチッ
配信開始のボタンを押した
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:月見里Side:
『おっす!はじめまして!』
画面の中からイントネーションに癖のある明るい声が聞こえてきた。
『俺の名前は勝常拳王や!よろしゅうな!』
コメント欄を見ると
:やんきーきちゃ
:関西の人かな?
:でた!ラッパー!
:よろしくー
と平和な感じではあった。
『初投稿の動画みんな見てくれたか?あれすごいやろ』
とギザギザな歯でニコッとした笑顔を見せる。
するとコメント欄に
:ヤンキー系ショタ・・・
と一瞬流れたのが見えた。
「・・・これ鈴燈だいじょうぶか?」
ちょっと心配になった。
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