紅茶

唇に触れるティーカップの縁はサラサラとして硬く、手に持つとひんやりとした感触が心地よい。白い磁器に繊細な花模様が描かれたティーカップは、光を受けてほんのりと透けるような美しさがある。薄いカップ越しに見える紅茶の色は、深い琥珀色で、そこにレモンの輪切りが一片浮かんでいる。スプーンを置く時の音を気にしながら、ゆっくりとティーカップを持ち上げる。唇に運んで一口飲み干すと、口に広がるレモンと紅茶の味が、カップの上品な佇まいと共に感じられる。紅茶の香りにレモンの粒ひと粒の果肉が加わり、レモンの酸っぱさと紅茶の透明な苦みが混ざり合って好き。

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