第2話 二日目

 棒人間が旅館を出ら支度をしていると、

「奴さん。これ買わないかい」

 気のいい女将が棒人間を止めました。

「雪のふる日に」という小説でした。三百円でどうだいと女将はいいました。

 棒人間は資金がないのよと値切って二百円でその小説を買いました。

 棒人間は旅館を出ました。

 旅を続けておりますと、棒人間は様々な人に出会うものです。今は、旅する乙女に出会いました。

「うーんなんてかわいい。よしマフラーをあげよう」

 といって、マフラーを渡しました。冬ですが、まいっかと棒人間は気楽に考えました。結構寒いですよ?

 かくして棒人間はTシャツとパンツだけで旅を続けました。資金が一万円を切ったので、これからはもっと値切らなければいけなくなりました。

「おおこれは勇者」棒人間は勇者を見つけました。二人で旅をすることになりました。

 そしてしばらく歩いておりますと、丸太でできたつり橋を見つけますが、棒人間が進みかけると、パキッとおとがして、丸太の一本目が川に流されていきました。どんぶらこ、どんぶらこ。

 そして下の頼りないほそい紐が見えました。

「えい忌々しい」

 勇者がわたり切りました。棒人間も走ろうとして、転んで川に落ちました。

「ノーぶるぶる……」

 寒いです。ああなんて寒いのでしょう。マフラーしときゃよかったな。釣りの上手い勇者に、棒人間が釣られました。

「たすかったよ」

「僕の本見る」勇者が聞きました。

「みるー!」棒人間が子供みたいにはしゃいで答えました。

「 うしぐま いぬ ねこ?」

 勇者が、「さあ? これだけはぼくも、わからないんだ」と、首を傾げました。

 勇者がトイレに行きました。

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