ポジティブ陰キャとネガティブギャル

がろんぬ

体育祭編

第1話  実行委員決め

5月のある日、中間テストも終わって本来なら清々しい気持ちのまま帰るところだが、俺の気分は今、とてつもなく落ち込んでいた。

なぜなら————


「今から体育祭の実行委員を決める。」


来月に迫っている体育祭の実行委員決めがあるからだ。そして、こういう面倒な役は大抵俺に押し付けられる。


おっと、いきなり話し出すと『誰やねん』ってなるよな。

俺は陰山 琉衣かがやま るい、15歳の隠キャ男子だ。

なんの取り柄もないが、誇れることが一つだけある。それは、


「誰かやりたい者はいるか?」

「はい!陰山くんを推薦します!」


ほら、やっぱり押し付けられた。


「と言っているが、陰山、頼めるか?」

「全然いいですよ。」


まあ、大学の推薦で有利になるしいいんだけど。

俺が唯一誇れること、それはこのポジティブさだ。


なぜポジティブになったのかは中学の時にいじめられていたからなのだが、話すと長いのでまた今度にしよう。


「後1人は——」「先生!」


担任の先生(菅野 清美かんの きよみ 26歳 独身)は、はぁ、と溜め息をつき、


「なんだ?」

「チナッちゃんを推薦します!」「なんでやねん!」


そう言いながら立ち上がったのはこのクラスの陽キャグループの1人、陽川 千奈津ようかわ ちなつだ。

身長は平均くらいで、セミロングでライトブラウンの髪に軽くパーマを当てている。指には淡いピンクのネイルをつけている、いわゆるギャルである。


「お前なあ、少しは自分で——、まあいい、陽川は大じょ」

「だいじょぶでーす。」「いやいいんかーい。」


そんなやりとりのおかげか,クラスの雰囲気は重いものから明るいものへと変わっていた。


「それじゃあ陰山と陽川、よろしく頼むな。」

「はいわかりました。」

「おっけーキヨミちゃん。」「ちゃんと名字で呼べ。」


そう言われても陽川さんはにへにへと笑っている。底抜けに明るいなこの人は。


◇◇◇


そのまま流れ解散になった後、あるカップルが近づいてきた。


「よっ、琉衣。帰ろーぜ。」

「陰山君は実行委員の仕事があるから無理だよぉ。」

「そーだったそーだった。」


男子の方は関田 悠せきた ゆう

俺をいじめていた張本人だが、色々あって今や親友である。金髪で短髪、さらに耳にピアスをつけているため、なかなかいかつい見た目をしているが、仲間思いで誰にでも優しい。


そしてもう1人のおっとりとした喋り方の女子は今井 美咲いまい みさきだ。

艶のある綺麗な黒髪を肩まで伸ばした彼女は成績優秀、スポーツ万能と文武両道を行く美少女だ。悠曰く、私生活はかなりやばいらしいが…。


「ごめんよ、悠。」

「ったく、なんで断らないかなあ。いやって言えば済むのに。」

「まあ、進学に有利になるしいいかなって。」

「そのポジティブシンキングには敵わねえぜ。」


そんなやりとりをしていると、もう1人の声が聞こえてきた。


「陰山ー、早く行こうぜー。」


声がする方を見ると,陽川さんが入り口で待ってくれていた。


「ごめんごめん、すぐ行くよ。」


「いいよなー琉衣は、あの美人と「悠?」スミマセンッ」


そんなバカップルのやりとりが聞こえてきたが、俺は構わずカバンを持って教室を後にするのだった。

よーし、実行委員頑張るぞ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめまして、がろんぬです!

今作品が初投稿になります!

忙しいので投稿頻度は不定期です。

小説を書くのは初めてのことなので、文が変になったりしている時がありますが、応援よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る