第41話 パーティー結成と友理奈のステータス
月曜日の放課後、森雪さんじゃなくて友理奈と俺は地元霧ヶ崎市のハンターギルドに向かった。俺たちは友理奈の提案で、正式にパーティーを結成することになったからその手続きをしに行く。ハンターギルドに到着すると、受付の水木さんが温かく迎えてくれた。
「あらお二人様、今日はどういったご用件で?」水木さんが尋ねる。
「パーティーを正式に結成したいんです」と友理奈が答える。
「パーティー名は?」と聞かれ、俺たちはお互いに顔を見合わせて困ったように笑う。実は全く考えていなかったのだ。仮の名前でも良いと言われ、何か適当に言おうとしたところ、俺が冗談半分で「名無しのドンベエだなこりゃ」と呟いた。すると水木さんが笑いながらもそのまま登録してしまったのだ。
「これで登録完了です。あとで変えても大丈夫ですからね」
水木さんが優しくフォローしてくれるが、まじでそれで登録したんかい!
その後、以前バタバタしていて鑑定できずじまいだった黒の外套を鑑定してもらうことにした。防御力はチェーンメイル並みで、魔力を込めるとステータスに補正が入り、攻撃力が10倍に補正されるという素晴らしい性能だった。ただし、普通のハンターだと数秒で魔力が尽きてしまうらしい。しかし、今の俺の魔力は桁外れに多いらしく、1時間は持つと言われた。
「それでミノタウロスをあっさり倒したんだね」と友理奈が呟くと、水木さんも納得したように頷いた。
さらに、10階層のイレギュラーボスの魔石についても話が進んだ。その魔石はオークションに出すことになり、高額で売れる見込みがあるという。そして、返却された荷物の中にあったスキルオーブも鑑定してもらうと、雷撃系の魔法を取得可能で、200万円ほどの価値があることが分かった。
俺は迷わずそのスキルオーブを友理奈に渡すことにした。「これ、君が使ってくれ」と言うと、彼女は戸惑いながらも受け取った。
「でも、私が使ってもいいの?」と友理奈が不安そうに尋ねる。
「もちろんだよ。君が攻撃手段を持つことは、パーティー全体の戦力アップにつながるから」と俺は説得する。
友理奈は頷き、「じゃあ、取得してみるね」と笑顔で応じた。
その日の夕方、俺たちはダンジョンに向かい、友理奈はスキルオーブを使って雷撃系の魔法を取得した。さっそく1階層の魔物に対して試し撃ちをしてみることにし、着替えてからダンジョンに繰り出した。
あくまで短時間の試し打ちのみにきている。
程なくして最初のターゲットが見つかり、攻撃の準備をする。
1階層の魔物に対して初めての雷撃を発動するため、彼女は少し緊張しながらも一歩前に進む。
「私にできるかな・・・?」
友理奈が不安そうに呟く。
「いざとなれば俺が守るから、心配しないで」
俺は優しく答える。
「う、うん。や、やるね!」
友理奈は意を決し、魔物と向き合う。
彼女は深呼吸をして精神を集中させる。そして、両手を前方に突き出して魔力を込めた。
「雷霆の怒りよ、我に力を与えよ!」
友理奈が呪文を唱え始めると、彼女の手に魔力が集まり、バチバチと帯電していくのが分かる。
そして「雷撃」と半ば叫ぶように呪文名を発すると雷撃魔法が発動した。
彼女の手から一本の純粋な雷が魔物に向かって放たれた。雷撃はまっすぐ魔物に命中し、一瞬でその体を焦がして消し去る。
「すごい!ありがとう、銀治!」
友理奈は自分の手を見つめ、驚きと喜びが入り混じった表情を浮かべた。
「うん、素晴らしい威力だね」
俺は感心しながら答えた。
その後近くにいた数匹を倒し、俺たちはダンジョンを後にした。
こうして、俺たちのパーティーは新たな力を手に入れ、さらなる冒険への準備が整った。次なる挑戦に胸を躍らせながら、俺たちはその日を終えた。
### 森雪友理奈のステータス
- 名前: 森雪友理奈 (もりゆき ゆりな)
- レベル: 1
- 力: 18 (F)
- 敏捷性: 38 (E)
- 魔力: 121 (A)
- 体力: 82 (C)
- スキル: 回復魔法(大)、雷撃魔法(小)
友理奈は回復魔法に特化したステータスを持ち、他の戦闘能力を犠牲にしているが、魔力の多さで補っている。これから彼女が雷撃魔法を使いこなし、スキルレベルを上げることで、さらに強力な魔法を使えるようになっていくだろう。
因みに体力が高いと防御力が高い傾向にある。また、各項目の数値とランクの目安はこうだ。ただ、特殊能力によりランクが目安の数値を外れることがあるので、あくまでも目安。
〜20 F
〜40 E
〜80 D
〜100 C
〜120 B
〜140 A
140超 S
それと基本的に四項目の合計を4で割った数値でハンターのランクを判定している。
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