実は弱い俺が威圧スキルレベル999になって色々と困ってます〜Sランク冒険者になるまでの物語〜
やすはる
1,ターンポイント
「お前は何にも縛られずに自由に生きろ」
「親父!親父!何言ってるんだよ。こんな最後に…俺は親父のように壮大で汚くて綺麗事が沢山のこと世界で自由に大胆に生きてやる!そして絶対に親父のようになってやる!だから…だから!俺を…俺を一人に…一人にしないでくれよ…」
親父の最後の一言は本当にたった一言だった。
感謝を述べる訳でもなく、何かを自白もせずただ俺のことだけを思ったこの一言は竜の業火よりも熱くて、母のスープくらい温かかった
〜15年後〜
俺の名はレイ。レイ=ダロール。年は23歳。王都のハズレの森の奥の奥の小さな家…かというのかもわからない小屋みたいなところで生活している。もちろん自給自足。
昔、親父は俺が8歳の時に死んでしまった。
親父は冒険者だった。親父はものすごく偉大で冒険者ランクはSでこの国でも3本の指に入るほどの強者だった。だから周りの人は親父が死んだときものすごく驚き、悲しんだらしい
親父は白龍にやられた
この世界には魔物という怪物がウロウロしている
その中で最強と呼ばれる6体の龍がいる。
竜ではなく龍だ。日の龍。海の龍。森の龍。雷の龍
そして黒の龍。白の龍だ。
俺の住んでいるところ。リーオン王国はあまり魔物の被害がすごい国ではなかった。なのに、ある日やつは突然現れた。
白龍が王都に現れたんだ。
人間と龍なんて相手にすらならない、しかも龍が相手なんて国が滅んでも、仕方がない状況だった。
もちろん国の兵や冒険者が相手をした。
だがみんながみんな白龍を一目見た瞬間逃げ出してしまったらしい。国の大将もS級冒険者も。
ただ一人親父を抜けば……
親父はたった一人で王都を白竜から守ってみせた
俺の親父は間違いなく世界最強だった。
龍は王都から去るときに帰り際にブレスを吐いて親父を焼いた。
龍にはそれぞれ能力が違う。
白竜のブレスには成長を促進させる力がある
これだけを聞けばいい能力に聞こえるかもしれないが、あくまでも成長は龍の常識の範囲内であり、人間がそんなの浴びてしまったら体が膨張して、体の穴という穴から血が噴き出て死んでしまう。
親父はそれを浴びてでもなお家に帰ってきた。
帰ってきたときすぐに倒れて、死んでしまった。
俺はこの時、龍のブレスの残り香を少し浴びてしまった。親父の体を触ったら、体中痛かった思い出がある。
まぁその時は親父があんな状況だったから痛みなんて気にしなかったけど。
母は俺が生まれて間もない時に離婚した。
親父が毎日のように血だらけで帰って来るから怖くなったらしい。母は親父を怖がったんだ…
俺は親父が死んでから1ヶ月間寝込んでしまった。
ご飯も食べずに水も飲まずに…白龍のブレスのせいだろう。
起きたときは体が大きくなっていて、手も大きくなっていた気がした。家には鏡がない。
俺は親父を置いて逃げて行ったこの国が大嫌いだった。でも親父が守ったこの国を去ることもできなかった。
俺は親父が冒険者だったように冒険者になる予定だった。なる予定だったのだけど………
俺はこの15年間で一向に成長しなかった。
俺の住んでいる森には魔物はでないので必死に筋トレや体術を鍛えた。でも本当に強くなれなかった。
冒険者になるためには冒険者ギルドと言われる組合に入らなければならない。入れるのは15歳から入れて試験を合格すれば誰でも入れる。
俺の現在の年齢は23歳冒険者になるには少し遅かった。俺は冒険者が15からなんてわからなかった
王都の街の方になんていかなかったからだ。
追加でこの世の常識もよくわからん
そんな俺が今日久しぶりに王都の街で暮らす予定だ
15年ぶりだ。
今の住んでいるところから王都まではだいたい1時間くらいでつく。でも山道だからもう少しかかる
森の中から平地にでた。遠くを見ると城門の前で並んでいる人たちとそこへ向かっている人たちが見えた。所々に馬車で移動している人でもいる。
そこへ向かって歩いていっていたんだかなんだか周りからみられているような気がした。
ある人は俺を一目見て腰を抜かして逃げていったり
ある人は俺を見て剣を向けてきた人をいたが目があったら逃げて行った
きっとなんか急の用事を思い出して帰ったんだろう
そんな事を思って列に並んで自分の番になった
「じ、自分の身分が証明できるものはあるか!」
この人強気だな…人と話すなんて久しぶりなのに
身分証か…予想外だったな…
「すみません、持ってません」
「なっ…もってないだと、…すぐにこっちへ来い」
そうして証文の中へ入ってテーブルと椅子しかおいていない部屋に連れられてきた
まぁ身分のわからない人が来たらこうなるよな
連れられる時に後ろでざわざわしてたけどなんかあったのかな…
「よぉ、お前がか…俺の名はガルザ。この国の兵長をしているものだ」
「ご丁寧に。私の名前はレイと申します」
「お、おう…それでなんで身分証持ってないんだ?この国じゃ持ってるのが当たり前なんだが」
「山ごもりしていたもんで」
「そ、そうか。でも簡単に王都に入れるわけにもいかない。身分調査をする。この水晶に手をかざしてもらう。とりあえずこの水晶の上に手をおいて」
テーブルの上に水晶がそっと置かれた
こんなの始めて見たな
俺はそっと水晶の上に手を置いた
そしたら急に半透明で浮いている紙みたいのがでてきた
な、なんじゃこりゃ
えっとなんか書いてあるな…
名前:レイ=ダロール
階級:平民
スキル:威圧ーーー999
犯罪歴なし
なんだコレ。スキル?何だそれ
「犯罪のとこなんて書いてある?」
「これ見えないんですか?」
「ああ、この魔法具は本人にしか見えないんだ。 だからここに嘘がわかる魔法具もおいてある。嘘をついたら重罪だぞ」
へ〜これを魔法具というのか
嘘をついたらわかる道具なんて、大変だな
「なしって書いてます」
「魔法具は…………何もないな。よし入ってよし」
後ろに立っていた2人の兵士がざわざわしていたけどなんか面白いことあったのかな?
「あの…スキルって書いてあるんですけど。これってなんですか?」
「スキルを持っているのか!スキルというのはその人が生まれつき持つ能力だ。大体はスキルを使うときはそのスキル名を口にすれば使えるぞ。いまスキル名言うなよ。発動しちゃうから」
「わかりました。ありがとうございました」
「おう。このドアから出れば入れるぞ」
そうしてドアを通って王都へ入った
〜〜〜〜〜〜〜
「大丈夫だったんですか。あんな人入れて
森であったら即刻切り捨ててもおかしくない見た目でしたよ。普通の人が見たらみんな怖がっちゃいますよ」
「大丈夫だろ」
「そんな勝手な…なんの根拠があって?」
「感だ。それに面白いやつだった」
「もうそればっかりなんですから。ちゃんとしてくださいね団長。あなたがうちの国の兵のトップなんて…」
「まぁ、これからおもしろいことが起きるぞ!」
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