お持ち帰りされました
遡ること二時間前、私は
部下の尻拭いをして一人で
居酒屋に来ていた。
隣に座った男性は年下の
イケメンだった。
と名乗った彼は酔った私の愚痴を
可笑しそうに聞いていた。
酔った勢いと話すのが楽しくて
気が付いたら彼の家に連れて来られていた……
ほんの少しだけ残った理性が頭の中で
警鐘を鳴らしているが
本能には到底勝てなかった。
『やらあっ……!あ、あ、あ、イイ、
そこもっとぉ……!、
もっと突いてッ……!……
おっきい……!そことんとんして!』
くちゅ
『おくすきぃ、イ、イク……あッ……!!
イ、イク……おくすきぃッ……!ッ♡』
両性具有だとバレてさっき出会ったばかりの彼に
抱かれ抱かれる
気持ちよくて私は啼きっぱなしだった。
おまけに容赦なく
その間も感じてしまっていた。
終わる頃にはお互いに名前呼びになっていた。
『雅昭さん、初めてだって言ってのに
無理させてごめん……』
事後、透が土下座する勢いで謝って来た。
年齢的なものとご無沙汰だったのと
抱かれる
嫌とかはなくむしろ嬉しかった。
『大丈夫だ、気持ちよかったし……
ただ初めてだったのにあんなに年甲斐もなく
乱れてしましたのは恥ずかしいが……』
初めて会った年下の透に抱かれて新しい自分を見つけてしまった。
『俺は嬉しかったよ、
今回だけで妊娠してるかわからないけど、
かなり
まだシュンとしている透を抱き締めた。
まぁ、妻とは不仲だし息子二人も反抗期だしな(苦笑)
娘だけは何時も私の味方をしてくれるが。
『わかった。
そうだ、娘には話していいか?』
家族の中で私が
両性具有だと知っているのは七菜華だけだ。
『俺は全然いいけど、大丈夫なの?』
夜中にシーツを洗っているのを
見られたのがきっかけだった。
両性具有の私も毎月生理は来るが
不定期で女性のように決まっていなく、
あの日も突然来てシーツに付いた血を洗っていた。
『娘にはバレていてね、家族では唯一私の味方なんだ』
終電もない時間だったから
透の家に泊まることになった。
❨翌日❩
朝食を一緒に食べて連絡先を交換した後、
着替えるために一旦、家に戻った。
「おはよパパ、お帰り」
鍵を開けて玄関に入ると
洗面所から出て来た七菜華が居た。
『あ、あぁ、ただいま』
時刻は午前六時半、私達以外はまだ寝ている。
「今のうちにシャワー浴びたら?
出たら朝帰りの理由教えてね」
七菜華には隠し事はしたくないからな。
『わかった、出たら部屋に行くよ』
返事の代わりに階段を登る前に手を小さく振っていた。
三十分でシャワーから上がり七菜華の
部屋に向かった。
小さくノックすると直ぐにドアを開けてくれた。
「パパ、いらっしゃい。
コーヒー淹れたから飲みなが話してよ」
友人のような私達。
昨日の一部始終を話した。
部下の尻拭いをして残業したことから
透の家に泊まるまでの経緯を。
「そっか、じゃぁママとは離婚しなきゃね。
一晩、一緒に過ごして
好きになっちゃったんでしょう?」
やはり、女の子は勘がいいな(苦笑)
『そうだね……』
抱かれる喜びも知ってしまったし……
「
『かなりのイケメンだ』
私には勿体ないくらいだ。
「じゃぁ、生まれて来る子はパパに似れば
可愛い系で
美人かイケメンだね(笑)」
私は確かに童顔だがはたして可愛い系なのか?
『今回が初めてだったし子供ができてるかは
定かじゃないけど、もし、私の所に
来てくれたなら愛情を込めて育てたい……
あ、いや、七菜華達にも勿論、愛情は込めて来たが……』
「ふふ、わかってるよ、パパが私達にきちんと
愛情を注いでくれてたことは。
ただ、あの子達は男の子で反抗期だし特に麻也は……
パパもあんまり落ち込まないでね。
って好きな人ができたならそんな暇ないか(笑)
あたしは応援してるし何かあっら相談乗るよ♪」
途中の言葉が引っ掛かったが触れないでおこう。
いい娘を持ったな。
『ありがとう、コーヒーもご馳走さま。
着替えたら会社行って来る』
話していたらいつの間にか七時半を過ぎていた。
自分が飲んだマグカップを持って
七菜華の部屋を出た。
さて、着替えて会社行かなきゃな。
「気を付けて行ってらっしゃい」
『行ってきます』
自室に戻り着替えて家を出た。
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