不完全な飯テロ。

@xxxkocchi

肉を喰らう

この世界には飯テロというものが溢れている。

飯テロはとても素晴らしい。

それは食物を美味そうに魅せ、喰らう。このような行為が素晴らしくないはずがないだろう。

しかしながら、私は映像の技術はないし漫画の技術もない。

かと言って小説の技術もないわけだが、やってみたいと思ってしまった。

文字を書き始め一週間も経っていないが美味そうに書くように努力する。

どうか皆様は温かい目で見守ってほしい。




───ステーキハウスにて

私は一番オーソドックスなステーキを注文した。

二百グラム。ミディアム。トッピングは無しだ。

ソースは二種類。オリジナルソースと、和風ソースだ。

卓上には塩もある。つけてみよう。

さて、説明しているうちに肉を運んできてくれたようだ。

ジューという肉が鉄板の上で焼かれる音とともに香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。

「こちらステーキ二百グラム、ミディアムとなります」

「ありがとうございます。」

店員声とともに私の前に置かれた。

それは八等分にされており、焦げ茶色の焼きめが食欲をそそる。

「こちらナプキンとなっております。体につけてお楽しみください。また何かありましたらお申し付け下さい。ごゆっくりどうぞ〜。」

お決まりの文言とともに店員が去って行った。

ナプキンを体につけ、ナイフ、フォークを持つ。

準備満タンだ。

「いただきます。」

左手で肉を刺し、右手で食べやすい大きさに切る。

ちょうど十六等分になるくらいだろうか。

最初はオリジナルソースをつけてみよう。

肉をソースが入っている器に落とし、ソースを適量つける。

そして口に運ぶ。

そして咀嚼する。

確かな弾力と溢れ出る肉汁。

それに絡み合う酸味がアクセントの甘みのあるソース。

肉の旨味が確かに感じられるステーキと病みつきになるソース。素晴らしい。

飲み込んだあともまだ余韻が残る。

また二口目に行きたいところだが、ここは我慢して塩を振りかける。

すでに切られている肉を刺し口に運ぶ。

塩は確かにしょっぱく、肉を引き立てている。

このステーキは素晴らしいので、塩はとても合う。

噛み切れないなどといったことはないが、確かな噛み応えがあり、肉肉しさが倍増している。

さて、ここで私の大本命である和風ソースを付けようか。

和風ソースとは爽やかな甘味による清涼感が肉を引き立て私好みの味となる。

心を躍らせ肉を切り、少し多めにつける。

落とさないよう気を配りながら口に運ぶ。

あぁ、これだよ。

口に入れた瞬間確かな清涼感に包まれたが、噛んでいくうちに肉が主張してくる。

結果的に清涼感がいい具合に肉を包み込みもう一口といきたくなる味だ。

しかしながら飽きてはは来るだろう。

だが、私は調味料が三つ手元にある。

今、そのときに食べたい味を体現できる。

これがステーキハウスの素晴らしいところだろう。

私はこの三つの味をバランスよく食べ、飽きることなく食べ終えた。

「ごちそうさまでした。」

感謝と満足感とともに多少の喪失感を抱えつつ席を立つ。

お会計を済ませて店を出た。

その時にはもう、喪失感は消え、あることを考えていた。

さて、次は何を食べようか。

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